研究課題
本研究では、申請者らが最近発案し、その開発に成功したカーボンンナノ粒子添加噴霧熱分解法をもちいて固体酸化物燃料電池(SOFC)材料ナノ粒子の合成を行い、合成した粒子を用いスピンコーティングによるSOFCの作製を試みる。最終年度であるH25年度は、研究実施計画に基づき下記4項目について検討を行った。【1.塗布/焼成法によるナノ粒子薄膜の作製】H24年度にスピンコーティングによる薄膜形成を試みたが、電解質膜に必要な緻密な膜が形成できなかった。このため、塗布法により形成した比較的厚い(100μm程度)膜を種々の条件で焼成し、高い密度を持った膜を合成した。【2.電解質薄膜のイオン伝導測定】1.で得られた電解質膜のイオン伝導特性を交流インピーダンス測定装置により評価した。カーボンナノ粒子無添加GDC粒子(サブミクロン粒子)とカーボンナノ粒子添加GDC粒子(ナノ粒子)で作製した膜の特性を評価したところ、同等のイオン伝導特性が得られ、添加したカーボンナノ粒子が膜のイオン伝導特性に悪影響を与えていないことがわかった。本結果より、カーボンナノ粒子添加噴霧熱分解法で合成したGDCナノ粒子は電解質薄膜材料として有望な材料であるとがわかった。【3.クエン酸添加噴霧熱分解法による酸素極、燃料極材料粒子の合成】本研究の遂行中に発案した、クエン酸添加噴霧熱分解法を用いて、空気極材料としてLaCaMn系酸化物粒子を燃料極としてNi-GDC系酸化物粒子の合成をおこなった。得られた粒子はいずれも内部にスポンジのような高い空隙をもった多孔質粒子であり、しかも、多孔質でありながら破砕され難いという非常にユニークな強度特性をもった粒子であった。これら粒子のイオン反応抵抗を調べたところ、705~700℃で非常に低い抵抗を示し、電極材料として有望な粒子であることがわかった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
Journal of Fule Cell Science and Technology
巻: 10 ページ: 061006-1
10.1115/1.4025064
http://www.chemeng.osakafu-u.ac.jp/group7/kaken_result131010.pdf