研究概要 |
メタノールを燃料に使った燃料電池システムは複数あるが、ここではダイレクトメタノール方式ではなく、改質器-選択酸化-水素燃料電池のシステムを想定し、研究は「改質器触媒プロセス開発」と、最終段階の「燃料電池新規触媒開発」に焦点を当てる。改質器触媒はCu-ZnO-Al_2O_3系、燃料電池新規触媒はPt代替Ni系PEFC触媒を想定し、電気電導性向上を狙ってITO(スズドープ酸化インジウム)少量添加を含んでいる研究の最大の難所は、(1)改質器のコンパクト化、(2)Pt代替Ni触媒開発の2点であるが、いずれも我々が開発した新規触媒調製法、液相還元選択析出法を採用した。 メタノールから水素を得るため、Al2O3に担持したCu-ZnOナノ粒子を液相還元法により調製した。アルミナと親和性を持たせるため、高pH下において調製が必要であることから、錯体の沈殿が生じたため、柵化剤としてクエン酸などの添加により抑制した。またこの錯化剤添加は、粒径を制御するために有効であることも確認され、非常に微細なCuナノ粒子の調製に成功した。Cu-ZnOナノ粒子の調製に成功したため、実際に小型マイクロリアクターを用いて改質器を組み、水素改質能があることを確認した。 Pt代替触媒については、CoおよびNiへBもしくはCを添加したCoB,CoC,NiB,NiCナノ粒子の調製を行っている。現在、非晶質のCoBならびにNiCナノ粒子の調製に成功した。電気化学測定を行った所、Pt電極と比べ起電力は低いものの、有することが確認された。 現在、CoC,NiBナノ粒子についても調製方法を最適化しており、また調製に成功したCoB、NiCナノ粒子の起電力を向上させるため、合成条件の最適化を合せて行っている。
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