研究概要 |
本研究では、物質輸送と触媒反応を組み合わせた先進的なメンブレンリアクタの開発を行うことを目的としている。前年度では、CVD法により作製したアモルファスシリカからなるガス分離膜を用い、種々のガスの透過機構について明らかにしてきた。本年度では、水蒸気改質やオートサーマル改質反応への応用に向けて、高温水蒸気に耐性を有するシリカ系膜の調製を検討した。ヘテロ元素を導入したシリカ膜を数種類調製し、それらのガス透過性を測定した。このうち、例えばAlを導入したシリカアルミナ膜では、ガスの透過特性は、シリカ膜と同じ挙動を示した。He, H2, Neなどの小さな分子は温度とともにそれらの透過率は向上し、solid-state diffusionモデルにより透過していることがわかった。923K, 16mol% H2O/Arにおいて、シリカ膜は、透過率が時間の経過とともに大幅に減少したのに対し、シリカアルミナ膜では、透過率減少に対する抑制の効果が見られた。
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