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2011 年度 実績報告書

ヘテロ界面相互作用を利用した新規イオン伝導体の創成と電気化学デバイスへの展開

研究課題

研究課題/領域番号 22360336
研究機関東京大学

研究代表者

菊地 隆司  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40325486)

キーワード固体電解質 / 無機酸素酸塩 / 界面伝導相 / 燃料電池 / エネルギー効率化 / 有効媒質近似 / ピロリン酸シリカ / リン酸二水素セシウム
研究概要

本研究では、特定の無機酸素酸塩と酸化物マトリックス材料とのヘテロ界面に形成される界面相の形成機構と、このような界面相の伝導度が飛躍的に上昇する機構について研究を進め、伝導相/マトリックス界面相互作用による高い伝導性を示す薄膜複合体を開発し、200~300℃で作動する中温作動型燃料電池や電気化学デバイスへと応用することを目的としている。本年度は界面伝導相による伝導度向上の機構解明を目的として、球状単分散SiO2にリン酸処理を施したマトリクス(以下P-SiO2)と処理なしのSiO2を用いて、界面伝導相の伝導度への影響を比較した。昨年度までに、SiO2をリン酸処理しCsH2PO4と複合化した圧粉体電解質では、有効媒質近似適用の結果、複合体電解質の伝導度が最大になる混合比が存在することが示唆されている。リン酸処理を施さないSiO2をマトリクスに用いた場合には、混合比に対して、単調に伝導度が低下し、有効媒質近似により界面相がないとして計算した伝導度の予測結果と一致することから、リン酸処理が界面伝導相の形成には必須であることが分かった。また、SiO2のリン酸処理方法について、H3PO4/SiO2モル比が1より大きい場合はSiO2の形状が崩れたが、0.4より小さい場合には形状を維持してP-SiO2が調製できた。このようなリン酸処理によりファイバー状のシリカ膜にリン酸処理を施し、伝導相と複合化した高い伝導度の複合体の開発を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

球状単分散SiO2を使用し、リン酸処理を行うことにより表面にSiP2O7相を形成させ、これとCsH5(PO4)2を混合し熱処理することにより、圧粉体電解質を作製し伝導度を測定し、界面伝導相形成機構の検討を目的としている。最適なリン酸処理の条件の決定が思ったよりも時間を要したが、一方で新たにリン酸処理をしない試料を用いた複合体では界面伝導相が形成されないという示唆をえて、新たに進展した。また電気化学デバイスとして、燃料電池の薄膜電解質の検討に着手しており、デバイスへの展開は予定よりも進捗している。

今後の研究の推進方策

リン酸処理条件は確定したため、予定した通り研究を遂行できるものと判断している。開発した複合体電解質を用いた燃料電池発電については、これまでも開発の実績があり、一点異なるのは薄膜化したときのシール方法の問題であるが、新しい専用の治具を作製することで解決可能であると予想している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 中温作動型燃料電池用リン酸塩複合体電解質の薄膜化に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      助川 和也、菊地 隆司、高垣 敦、菅原 孝、Oyama S. T
    • 学会等名
      化学工学会 第77年会
    • 発表場所
      東京(工学院大学)
    • 年月日
      20120315-20120317

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公開日: 2014-07-24  

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