亜リン酸デヒドロゲナーゼは、NADの還元と同時に、ほぼ不可逆的に亜リン酸をリン酸に酸化する酵素で、工業的なNADHの再生酵素として期待されている。そこで熱安定性の高い亜リン酸デヒドロゲナーゼを取得するために、亜リン酸を唯一のリンとする最少培地を用い、45℃でも生育するRalstonia sp. 4506株を単離した。この株から得られた亜リン酸酸化酵素(RsPtxD)によるNADH再生系を用いて、医薬品合成の中間体であるL-tert-ロイシン合成に応用することができた。次に部位特異的変異によってRsPtxDのNADPに対する基質特異性を向上させた。得られたRsPtxD-DMは、NADPH再生系として、シキミ酸合成に応用することができた。
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