研究概要 |
平成22年度は,提案したジメチルエーテル(DME)を用いたアークジェット推進機の作動の実証,並びにその推力増強モジュールの設計に資する基礎データの取得のために,実験装置を構築し基本的なデータを取得するに至っている ジメチルエーテルを用いたアークジェット推進機に関しては,電源装置を購入するとともにその点火用回路の設計を行い,また,性能評価のために推力測定装置を設計並びに製作を行った.製作した実験装置を用いて,試作したアークジェット推進機を用いて作動実験を行ったところ,従来型のアークジェット推進機と同レベルの推進剤流量,放電電流で作動することが示された.また,推進機の性能は,DME推進剤流量60mg/s,放電電流30Aの時に,放電電力2350W,推力0.19N,比推力330秒,推進効率14%を得た.これは,従来の推進機に匹敵するレベルであるといえる また,固体推進薬を用いた推力増強モジュールに関しては,現有するレーザと試作した燃焼容器を用いて,熱流束(単位面積,単位時間あたりの熱入力量)と燃焼速度の関係を実験的に求め,推進機設計のための基礎的な知見を得た.燃焼制御が可能なコンポジット推進薬の他に,ダブルベース推進薬を用いて実験を行った結果,燃焼制御こそ不可能であったが,レーザの熱流束に応じて燃焼速度が急激に上昇する傾向が見られ,可変推力の可能性が示された 液体推進薬を用いた推力増強モジュールに関しては,推進剤供給用のシステム(比例電磁弁と制御用コンピュータ)を製作しその改良を行った
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