研究課題
開発した磁力補助機構を有する無隔膜衝撃波生成装置について日本機械学会論文集へ成果報告すると共に、水中衝撃波生成実験に着手した。本装置は、当初の研究目的に掲げた通り、船上で経済的且つ安定的に活用できるエネルギー源として主機や発電機の排ガスを利用するために考案した高圧ガス駆動型無隔膜衝撃波管であり、高圧ガスを水中へ曝さずに水中気泡運動を誘起できる圧力波を生成できれば、今後の研究展開に重要な意義を持つ。天然ゴムやシリコンゴムを利用して2種類の方法が試みられた。1つは、無隔膜衝撃波管端に接続された弾性チューブを水中に配置し、高圧ガスを水中に放出すること無く解放する方法である。弾性体運動や水中圧縮波生成の観測には高速度ビデオカメラ、水中圧力計測にはニードル型ハイドロフォンが用いられた。可視化実験では、弾性管内を衝撃波が通過する際にわずかな影がチューブ上を移動する様子と水中全体に光の揺らぎを観測したが、明確な圧力波面を捉えることはできず、圧力計の反応を得ることもできなかった。その際、弾性チューブの表面速度は高々数m/s程度しか得られなかった。気泡が水中衝撃波を誘起する時の界面速度は数百m/sのオーダーであり界面速度の違いが明らかとなった。2つ目に、高圧駆動ガスによる衝撃波の衝突によって天然ゴム膜を水面に衝突させる方法が試みられ、可視化では明確な水中衝撃波面を捉えることができたが圧力計の反応は得られず、水中衝撃波面の圧力はかなり弱いことが示唆された。また、ゴム膜の水面衝突速度は数十mのオーダーであった。以上より、気泡運動を誘起できる十分な強さの水中衝撃波の生成を実現することはできなかったが、水面打撃の方法で水中衝撃波の生成が確認できたことは、今後へ繋がる有効な結果であると言える。加えて、ゴーストフルード法を取り入れた衝撃波と気泡の二次元干渉シミュレーションコードを完成させた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (8件)
The Japan Institute of Marine Engineering
巻: Vol. 48, No. 2 ページ: 241-245
日本海水学会誌
巻: 第67巻,5号 ページ: 289-295
日本機械学会論文集(B編)
巻: 79、865号 ページ: 1973-1984