研究課題/領域番号 |
22360373
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研究機関 | 独立行政法人海上技術安全研究所 |
研究代表者 |
中島 康晴 独立行政法人海上技術安全研究所, 海洋開発系, 主任研究員 (30344237)
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研究分担者 |
宇都 正太郎 独立行政法人海上技術安全研究所, 海洋開発系, グループ長 (40358396)
藤田 豊久 東京大学, 工学系研究科, 教授 (70124617)
定木 淳 東京大学, 工学系研究科, 准教授 (60332582)
岡屋 克則 東京大学, 工学系研究科, 助教 (80134493)
松尾 誠治 東京大学, 工学系研究科, 助教 (20302755)
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キーワード | 海底鉱物資源 / 資源開発工学 / 海洋環境保全 / 分離工学 / 海底熱水鉱床 / 浮遊選鉱 / 気泡流 / 排他的経済水域 |
研究概要 |
我が国の排他的経済水域には、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、メタンハイドレートなどの未開発の海底鉱物・エネルギー資源が賦存することが知られている。本研究の目的は、海底熱水鉱床などの海底鉱物資源の開発を促進するため、これらの鉱物を海底において粉砕・選別し、有用鉱物のみを回収するとともに、不要な岩石等を海底に処分するための基盤的な技術を開発することである。当該年度は、微粉砕した鉱石から有用鉱物を選別する技術の基礎的な検討を実施した。具体的には、微粉砕した鉱石を分散した水中に空気を圧入し、有用鉱物のみを気泡表面に付着させて選別する、浮遊選鉱(浮選)と呼ばれる手法を、高圧水中条件に適用するための基礎的な実験を実施した。本研究では、陸上の選鉱場で広く使用されているカラム浮選と呼ばれる浮選方式の適用を想定し、カラム浮選機を模擬した実験装置を製作し、海上技術安全研究所の高圧タンクを用いて水深100~1000m相当の海底における浮選の模擬実験を実施した。実験では、実験装置内にあらかじめ微粉砕した原鉱を含む液体(パルプ)を充填し、最大で水深約1000m相当の高圧環境下において高圧空気を圧入し、カラム内に微細な気泡流を発生させた。その結果、カラムの上端部にフロス(泡沫)層が発生し、これがカラムから溢出することにより鉱物を分離することができた。実験から得られた精鉱の分析により、精鉱中の有用元素の品位は原鉱と比較して大きく向上したことが確認された。以上の結果から、高圧水中での浮選により有用鉱物のみを選別することが可能であると示唆された。
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