研究課題
低減効果のメカニズム解明に関しては、アクリルアミドの共重合ポリマーより溶媒を変えることにより会合特性が異なる状態での摩擦抵抗低減効果を計測するとともに、MALSによってそれぞれの溶媒での分子量、慣性半径及び第2ビリアル係数などの分子構造を測定することで低減効果の関係を検討した。また、アクリルアミドのみの重合や疎水性誘導体モノマーとの共重合により、約100万程度の分子量をもつポリアクリルアミド、および側鎖に多点の疎水部を導入した疎水化ポリマーを合成した。そして、螺旋状の絡み合いが提唱されているポリアクリルアミドについて、溶解直後に絡み合いによる顕著な会合が見られることをGPC-MALSによる分子量測定、さらに静的光散乱法によるポリマーの回転半径測定より見いだした。そしてその会合によって大きな摩擦低減効果を示すことを明かにした。一方、疎水化ポリマーでは、疎水部の連鎖様式によって会合特性が著しく変化することを明らかにした。また僅か1%モル以下の疎水部の導入により、水への溶解度が著しく低下することがわかった。そしてこれら疎水化ポリマーでは溶解度が低いにも関わらず、分子間会合に由来する摩擦低減効果が増大していることが定性的に示された。その他、天然物由来で低環境負荷型の会合型ポリマーについて、水素結合性の高いもので分子間会合が誘起され、結果として大きな摩擦低減効果を示すことを明かにした。以上の結果からポリマーの会合による摩擦低減効果の有効性を実証することが出来た。
24年度が最終年度であるため、記入しない。