研究課題/領域番号 |
22360387
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研究機関 | 独立行政法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
中島 謙一 独立行政法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 研究員 (90400457)
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研究分担者 |
小口 正弘 独立行政法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 研究員 (20463630)
橋本 征二 立命館大学, 理工学部, 教授 (30353543)
三木 貴博 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30312606)
竹田 修 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60447141)
松八重 一代 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50374997)
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キーワード | 有価物回収 / 都市鉱山 / レアメタル / 熱力学解析 / マテリアルフロー分析 |
研究概要 |
本年度は、個別会合の他、2011年8月(東京)と2012年1月(東京)に2回の全体会合を行った。以下に、各研究グループにおける研究成果の概要を示す。 熱力学解析Gr.では、製錬プロセス等における都市鉱山からの金属資源の回収可能性および不純物の除去限界の熱力学解析を行った。具体的には、鉛製錬を機軸とした循環系(Pb-X系)、鉛・亜鉛製錬を機軸とした循環系(Pb-Zn-X系)について資源回収ポテンシャル図を作成し、元素の分配傾向、混入元素の回収可能性・除去可能性を推計した。 MFA/MSA Gr.では、物質ストック勘定の枠組み開発として、McKelvey図との対比をより明確にした勘定方法を補完する目的で、廃棄物としての発生時期や回収可能性などを考慮した集計区分に基づく勘定方法を提示した。解析として、資源の需給構造を把握・解析することを目指して、Fe,Al,Ni,Cr,Moを対象として日本国内および日本を中心とした国際サプライチェーン構造についての解析を進めた。また、Alを対象として、欧州、米国、日本、中国でのストック量や廃棄物としての発生量を推計した。特に、ハイブリッド自動車や電気自動車の導入を想定したいくつかのシナリオについて2050年までの長期推計をおこない、リサイクル可能量の評価およびリサイクル促進によるCO2排出量削減効果を示した。更に、個別製品の組成分析およびストック量・排気量の解析として、庭用電気・電子製品の組成情報について,化学分析に基づいて新たな製品のデータを追加,蓄積した。代表的な業務用製品について製品および含有金属のストック・排出量を試算した。また、金属スクラップ循環の中でもレアメタルのキャリアとして重要な位置を占める廃自動車(ELV)に着目し、統計資料ならびに実測に基づき鉄鋼材に随伴するレアメタルフロー(Ni,Cr,Mo等)の推計を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
期間全体の研究計画についてはこの2ヵ年で概ね達成している。また、平成22年度に続き、平成23年度においても国際誌として評価の高いEnvironmental Science&Technologyを含めた複数の論文発表を行うと共に、国際会議等の場においてその情報の発信等を行ってきた。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度も引き続き研究計画に基づいて研究実施すると共に、口頭発表および誌上発表を行い国内外に情報を発信する。また、次年度以降の次のステップを視野にいれて、より挑戦的に課題に取り組むと共に、研究者ネットワークの構築を進める。
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