研究課題/領域番号 |
22360405
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村田 勲 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30273600)
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研究分担者 |
加藤 逸郎 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60314390)
宮丸 広幸 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80243187)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | BNCT / CdTe / アレー型 / 478keV / 10B(n,α)反応 / SPECT |
研究概要 |
平成23年度までで1素子による試験計測と解析によるSPECT装置の実施可能性を確認した。1素子の検出器の性能については問題ないことを確認し、アレー型の試験に移れる見込みとなった。が、SPECT装置の実施可能性検討の結果では、これまでの解析に若干の誤りがあることが判明し、S/N比については、1を上回ることができないことが明らかになった。これについての追加検討も平成24年度に実施することとなった。 平成24年度は、アレー型の検出素子の設計を進めた。4素子の設計から始めたが、予算的に難しいため、アレー型としては最小となる2素子の検出器とした。S/N比の改善の検討も並行して実施したが、少なくとも素子間の同時計数によりS/N比を向上できることは明らかになってきたことから、詳細な解析を勧めつつ、製作を行い、2素子による同時計数効果を調べることとした。設計の結果、現在日本国内で可能な最大のウエハーから切り出すことを想定し、2㎜×2.5㎜×40㎜長の結晶とした。当初は、1素子を1結晶で製作することを目指したが、結晶そのものの製作が困難で、将来的に回路をASICに組み込むことも考慮し、1㎜厚さのものを2枚貼り合わせることとなった。これに伴い、製作が遅れ次年度に補助事業として実施することとなった。平成25年度に実施した、平成24年度の補助事業により、製作を進めたが、2枚を貼り合わせて1検出素子とすることにはかなりの困難さがあり、試行錯誤を続けたが、若干の隙間を確保しつつ、金銭により密着させる方法が最も良いことが分かり、製作を終えることができた。平成25年度(最終年)の研究を仕上げることにも支障をきたしたため、平成25年度分の研究についても平成26年度に補助事業を行うこととした。平成24年度分として当初見込んでいた、アレー型の素子の製作は平成25年度の補助事業で達成することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要でも述べたとおり、2素子のアレー型CdTe検出器の製作が設計通りに進まず、時間がかかったためやや遅れている。しかし、平成24年度の目標について、平成25年度に実施した補助事業により達成したことから、平成25年度の事業の一部を平成26年度に補助事業として実施することで、全事業工程を達成できると見込んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2素子による試験計測を実施し、基本性能を確認後、2素子による同時計数によりS/N比がどの程度改善されるかを調べる。解析結果とも比較検討し、実際のアレー型検出器の問題点を抽出し、次の実用化プロジェクトにつなげる。また、コリメータの製作も実施し、実機装置の可能性検討も併せて進めていく予定である。
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