研究課題/領域番号 |
22360408
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山村 朝雄 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (20281983)
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研究分担者 |
李 徳新 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (40281985)
白崎 謙次 東北大学, 金属材料研究所, 技術職員 (70447176)
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キーワード | 固体電池 / バナジウム / 有機溶媒フリー / ハイブリッド自動車用電池 / 過電圧過程 |
研究概要 |
本年度、高いエネルギー密度、低コスト、簡単にリサイクル可能で、室温で作動し、特別な溶媒を必要としない「バナジウム固体塩電池」(VSSB ; Vanadium Solid-Salt Battery)を提示した。このVSSBは、炭素フェルトで担持された2種類のバナジウム固体塩類と、イオン交換膜を湿らせるために加えられる最小量の硫酸からなる。最適化されたVSSBは、100サイクルの充電放電に対して優れた再現性を示し、高いエネルギー効率(87%)と高いエネルギー密度(XF208炭素フェルト、5mAcm^<-2>の条件で、77Wh kg^<-1>)電池電位1.5Vを示した。重量エネルギー密度は、従来のバナジウム・レドックスフロー電池(VRF)と比較して、250-350%に増強された。理論的には、塩や水和水の重量が少なくなるほどに重量エネルギー密度が高くなり、塩化物電池では95Wh kg-1、フッ化物電池では110Wh kg-1程度が期待される。硫酸塩電池でもVRFと比較して700%程度まで可能である。このようにニッケル水素電池と競合しうる高エネルギー密度をもつ。コスト試算の結果、鉛蓄電池と代替しうるコストとなる。現在、鉛蓄電池はスタートアップ用電池として、ガソリン車のみならずHVにも搭載される。このような有害な鉛を含有しない自動車用電池としても有望である。
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