研究課題/領域番号 |
22360408
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山村 朝雄 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (20281983)
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研究分担者 |
李 徳新 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (40281985)
白崎 謙次 東北大学, 金属材料研究所, 技術職員 (70447176)
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キーワード | 固体電池 / バナジウム / 有機物フリー / ハイブリッド自動車用電池 / 過電圧過程 |
研究概要 |
本年度、高いエネルギー効率、低コスト、簡単にリサイクル可能で、室温で作動し、特別な溶媒を必要としない「バナジウム固体塩電池」(VSSB: Vanadium Solid-Salt Battery)の検討を行った。2011年9月に発火事故があらわになったNaS電池のような発火・爆発リスクがない。このような意味では究極に安全な電池といって過言ではない。加えて、当該電池はバナジウムレドックスフロー電池よりエネルギー密度、電池電位が高いこと、バナジウム電池と同程度のサイクル寿命が期待されている。本年度は、当該電池の実用段階を想定した検討を引き続き行った。 小型セル(電極面積2.35 cm2)を用いて、多数回の充放電サイクルにおいて、評価期間6ヶ月をかけて2000サイクルのフル充電・フル放電を達成した。この2000サイクルのサイクル試験の間において劣化がほとんどないことは特筆すべき特性である。 大型化セルを作成する過程で、合理的で安価な材料から電池を作製する方法を考案した。この電池について実用段階を想定した定電流あるいは定電圧モードでの充電、ガス発生、急速充電性能、大電流放電時の変化特性を評価した。この結果、本電池は内部抵抗20mΩ程度、大電流2Aでの充放電が可能であることが見出され、今後の実用化への道筋が付けられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
サイクル性能2000サイクル(評価期間6ヶ月)を達成し、かつ、劣化がほとんどないことを確認した。加えて、合理的で安価な材料から電池を作製する方法を考案した。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り、実用化に十分な蓄電容量を持たせるため、単セルを複数接続したスタックをモジュールの構成単位として、スタックの接続方法を変えて高出力(ハイブリッド自動車用)や長時間出力(スマートグリッド用)など用途に合わせたモジュールの製作と実証を行う。
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