研究課題
本研究では、光熱変換法の信号発生原理を応用し、サンプル内に発生した熱の拡散長を制御することで、多接合構造太陽電池の変換効率低下の原因となる熱エネルギー損失、つまりキャリアの再結合損失の深さ方向断面プロファイルを測定する新たな評価手法を開発することである。この結果得られる知見を太陽電池作製プロセスへフィードバックさせて、現行の三接合構造太陽電池の更なる変換効率向上を行う。更には四接合あるいは五接合構造といった次世代の高効率多接合構造太陽電池実現のための重要な非破壊評価術として同手法を確立させる事が本研究の要旨である。本研究で構築した一定光量光熱変換分光法(CP-PPT)を次世代多接合太陽電池として期待されている量子井戸構造型太陽電池材料に適用し、CP-PPT信号の温度変化測定から量子井戸層からのキャリア脱出および発光・非発光再結合キャリア損失の活性化エネルギーを算出した。得られた活性化エネルギーはバンドプロファイルから見積もられた値より小さく、量子井戸層でのキャリア輸送においてトンネリング等の過程を考慮すべきであることを実験的に初めて明確にした。また、新たな手法として断続周波数を変化させてCP-PPTスペクトル測定を実施したところ、発生した熱波が検出器まで到達しない高周波数領域においても量子井戸起因のCP-PPT信号を検出した。これは量子井戸から漏れ出したキャリアの拡散現象に起因するものである。量子井戸構造太陽電池では量子井戸内のキャリア再結合により効率低下が懸念されるが、室温付近では十分光励起キャリアを取り出せていることを初めて実験的に示した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (9件) 備考 (3件)
Physica Status Solidi A
巻: 211 ページ: 444-448
Proceedings of Symposium on Ultrasonic Electronics
巻: 34 ページ: 405
http://www.cc.miyazaki-u.ac.jp/fukuyamalabo/
http://www.cc.miyazaki-u.ac.jp/mdeee03/pemhome.html
http://www.cc.miyazaki-u.ac.jp/pvproject/