研究課題/領域番号 |
22370008
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
北出 理 茨城大学, 理学部, 准教授 (80302321)
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研究分担者 |
大村 和香子 独立行政法人森林総合研究所, 木質改善研究領域, 主任研究員 (00343806)
荒谷 邦雄 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 教授 (10263138)
前川 清人 富山大学, 理工学研究部, 准教授 (20345557)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | シロアリ / カスト分化 / フェロモン / 遺伝的カスト決定 / 社会性昆虫 |
研究概要 |
ヤマトシロアリの生殖虫から2種の溶媒(ヘキサン・メタノール)で抽出した物質が、幼虫のワーカー分化に与える影響を継続して調べた。溶媒だけの対照区では分化は誘導されなかったが、実験区ではワーカー分化が誘導された。誘導の割合は卵の親により大きく異なり、フェロモン感受性は遺伝的影響が大きいと考えられた。また、本種の女王フェロモンと、道しるべフェロモン類似物質に対し、ヤマトシロアリとイエシロアリの各階級の示す反応閾値の違いを触角電位の測定により検討した。ヤマトのワーカーは女王フェロモンに対し、道しるべフェロモンより高い反応性を示した。若齢幼虫では反応は得られなかった。一方、イエシロアリのワーカーは、ヤマトシロアリの女王フェロモン2種にも反応したが、反応性は、道しるべ物質や忌避物質より低かった。 また、ヤマトシロアリ有翅生殖虫の雌雄ペア・雌雌ペアに多数のコロニーを創設させる実験を行い、単為生殖で生まれた卵は、有性生殖卵に比べて有意に高い割合でニンフに分化し、さらにこれがニンフ型生殖虫に分化することを示した。 さらに階級分化と遺伝子発現との関連に関して、ヤマトシロアリ,タカサゴシロアリ,ネバダオオシロアリのソルジャー分化において,JH量の変動に伴う兵隊特異的な遺伝子(特にHox遺伝子をはじめとする形態形成遺伝子)の働きを明らかにした。また,生殖階級と不妊階級における腸内共生原生動物の組成と個体数の変動を明らかにした。また、オオシロアリとParrhinotermes queenslandicusの野外コロニーに適用できるマイクロサテライトマーカーをパイロシークエンサーを利用して作製し、これをコロニーの遺伝構造の解明に適用するとともに、共生原生生物の組成の変異を調査した。この結果から、前者が多巣性で、幼形生殖虫による近親交配が行われていること、後者も複数の材を利用することが裏付けられた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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