研究課題/領域番号 |
22370010
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
吉村 仁 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (10291957)
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研究分担者 |
長谷川 英祐 北海道大学, 農学研究科, 准教授 (40301874)
粕谷 英一 九州大学, 理学研究科, 准教授 (00161050)
松浦 健二 岡山大学, 環境学研究科, 准教授 (40379821)
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キーワード | シロアリ / 働かないアリ / 持続可能性 / 性比 / 血縁選択 / 環境変動 / コロニー存続性 / シミュレーション |
研究概要 |
初年度は基本モデルの考案が中心である。基礎理論として、短期適応度と長期適応度の関係を、短期戦略と長期戦略の優位性に置き換えて、持続的な条件でのモデル化を行った。8月このモデルよりシミュレーションプログラムを開発する予定である。さらに、研究分担者の松浦健二・長谷川英祐らとシロアリにおける近親交配による血縁度非対称性が、血縁選択を起こすメカニズムを考案した。この理論研究は実証データとの比較を現在遂行中で、原稿準備も進めている。さらに、研究分担者の長谷川英祐らとアリ・コロニーにおける働かないアリが多数存在する意義が、コロニーの存続可能性のために重要である可能性を見出し、そのシミュレーションによる検証を実行して、原稿を作成中である。また、本課題の理論的中心となる幾何平均適応度の概念を世界ではじめて提唱した創始者Dan Cohen教授をイスラエルのヘブライ大学より約1ヶ月半招聘して、浜松で2回、静岡および札幌で各1回、講演をして頂き、講演内容のさらなる教授を受けた。さらに、生物経済学の世界の第1人者である、資源の持続可能性利用の創始者カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学のColin W.Clark名誉教授に浜松と静岡にて講演していただき、持続可能性の展望について教授をしていただいた。また、連携研究者の泰中啓一および守田智の協力の元で、アユの縄張り形成・崩壊における履歴効果の適応ダイナミクスの(成果に記載)や、トンボメスにおける多型の維持機構の理論モデル考案と実証的解明による統合的研究(成果に記載)など、さまざまな生物の生活史への応用研究を展開した。
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