研究課題
本年度の水域生態系研究としては琵琶湖集水域における河川生態系の炭素循環および食物網の研究を行った。アミノ酸窒素同位体比を利用した栄養段階推定を行なった結果、河川内部生産と外部生産の混合系である河川生態系では、アミノ酸窒素同位体比混合モデルの必要性が明らかになった。それを用いて、混合モデルが必要とされる場合での栄養段階推定手法を確立した。また、琵琶湖集水域河川の比較研究から、流域の無機・有機炭素画分の14C値は母岩に影響されて大きく変動する部分と、母岩に関わらず集水域に影響されて変動する部分の混合によることがわかった。これらをまとめて総説を執筆した(Ishikawa et al. 印刷中)。土壌は生物圏で最も多くの炭素を貯蔵しており、温度上昇による土壌炭素の滞留時間の変化について近年多くの研究がなされている。しかし、土壌動物が餌として利用している有機物の滞留時間(食物年齢)についての知見は極めて乏しい。本年度は、様々な気候帯から採集したミミズの放射性炭素同位体分析を行い、気候条件がミミズの利用する食物年齢に与える影響を調べた。その結果、ミミズの食物年齢は、食性(リター食や土壌食)ごとに有意に異なったが、気候条件による有意な差は見られず土壌食ミミズで約10年であった。このことは、ミミズが利用する土壌有機物の分解速度が、気温ではなく、土壌構造や植生によって決まっている可能性があることを示している。その他、放射性炭素14解析、バルク同位体比を用いた解析、アミノ酸同位体解析を用いた研究を行ない、標記課題に関連する複数の論文執筆を行なった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 12件) 学会発表 (19件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)
Journal of Ecology
巻: 101 ページ: 525-531
DOI:10.1111/1365-2745.12038
Soil & Tillage Research
巻: 126 ページ: 42-49
DOI:10.1016/j.still.2012.07.003
Oecologia
巻: 171 ページ: 935-944
10.1007/s00442-012-2446-1
Limnology
巻: 14 ページ: 167-177
10.1007/s10201-012-0394-4
Ecological Research
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1007/s11284-012-1003-z
Soil Biology and Biochemistry
巻: 57 ページ: 60-67
10.1016/j.soilbio.2012.07.011
ぶんせき
巻: 2月号 ページ: 79-85
巻: 13 ページ: 269-280
DOI:10.1007/s10201-012-0375-7
Marine and Freshwater Research
巻: 63 ページ: 210-217
10.1071/MF11141
Plant Biology
巻: 14 ページ: 888-893
10.1111/j.1438-8677.2012.00573.x
Global Change Biology
巻: 18 ページ: 2606–2616
10.1111/j.1365-2486.2012.02722.x
Applied Soil Ecology
巻: 62 ページ: 178-183
10.1016/j.apsoil.2012.09.014
Soil Science and Plant Nutrition
巻: 58 ページ: 783-792
10.1080/00380768.2012.738183