研究課題
高等植物の低温ストレス応答で重要な働きを示すAP2/ERFタイプの転写因子遺伝子DREB1の上流の制御機構を解明するため、DREB1C遺伝子のプロモーター内において概日リズムと低温応答での発現に関わる配列の両方をそれぞれ含む、転写開始点から上流-113から-47までの配列(WT配列)内の領域3に結合する転写因子として単離されたCAMTAファミリー(CAMTA1からCAMTA6)について解析を進めた。6種類のCAMTAについて、シロイヌナズナのプロトプラストを用いて、DREB1CプロモーターのWT配列およびDREB1A、DREB1Bプロモーターの相同領域をつないだレポーター遺伝子転写活性化能を解析した結果、CAMTA3およびCAMTA5が、WT配列およびDREB1Bプロモーターの相同領域に対して高い転写活性化能を示した。また、CAMTAファミリーの細胞内局在を解析するため、GFP融合型のCAMTAを過剰発現する形質転換シロイヌナズナを作出し、GFP蛍光の観察を行った結果、CAMTA2-sGFP、CAMTA3-sGFPおよびCAMTA5-sGFPの蛍光が細胞質や核において観察された。特に、孔辺細胞においてこれら3種類のCAMTA-sGFPが低温条件下において細胞質から核に移行した。そこで、CAMTA3およびCAMTA5の遺伝子発現を欠損させたcamta3camta5変異体を作出し、DREB1遺伝子群の発現量を測定した。その結果、4℃、3時間の低温条件下においてDREB1B遺伝子の発現量が顕著に減少していた。よって、CAMTA3およびCAMTA5は、DREB1BおよびDREB1C遺伝子の発現の低温誘導性を正に制御する因子であり、その活性は細胞内局在の変化によって制御されることが考えられた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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