研究課題/領域番号 |
22370026
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小林 一也 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50360110)
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研究分担者 |
松本 緑 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (00211574)
田中 裕之 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (10293820)
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キーワード | D体アミノ酸 / トリプトファン / 配偶子形成 / 生殖様式 / プラナリア |
研究概要 |
プラナリアのD-Trp受容体を単離・同定するため、哺乳類で報告されているD-Trpの受容体GPR109bのプラナリアホモログ遺伝子に注目し、ホモロジーの高いプラナリアGPRの上位4遺伝子(Dr506、Dr5HTR-1、Dr227、Dr206)の部分配列を決定した。Dr5HTR-1とDr206はセロトニン受容体候補遺伝子であった。ホールマウントIn situハイブリダイゼーション法により、Dr5HTR-1のみが卵巣付近で強く発現していることがわかった。プラナリアではセロトニンの拮抗剤であるLSD処理により生殖器官の退化が起こることが知られており、Dr5HTR-1との関連性が期待される。 プラナリアにおけるD-Trpの局在はすなわち、その作用器官・組織を理解することになる。D-Trp抗体を用いて解析したが良好な結果は得られなかった。そこで、Dアミノ酸の局在はDアミノ酸酸化分解酵素(DAO)の局在とはモザイクになるという間接的な証明方法をとることにし、プラナリアDAO、DrDAOの解析を行った。DrDAOの発現は無性個体ではネオブラストが存在している全身の間柔織領域で強く発現しているが、有性化が進むにつれて頭部と尾部のみでの発現となる。また、成熟した卵巣では発現していないが、有性化過程で一過的に卵巣での発現が認められた。Dr5HTR-1の卵巣付近での発現時期は、DrDAOの発現時期とほぼ一致している。予想されるD-Trpの分解場所と作用場所が近接していることは興味深い。RNAi法によるDrDAOのノックダウン個体では、D-Trpの卵巣誘導活性を促進するだけでなく、D-Trpの投与なしに卵巣誘導が起こった。プラナリア体内からはD-Trpが検出できていないので、DrDAOの基質となり、かつ卵巣誘導に関与する物質が存在することを示唆する。
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