研究課題/領域番号 |
22370031
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 元己 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00193524)
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研究分担者 |
森長 真一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (80568262)
青木 誠志郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 学術研究員 (10334301)
上原 浩一 千葉大学, 園芸学部, 准教授 (20221799)
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キーワード | 適応放散 / 種分化 / アゼトウナ属 / ゲノム |
研究概要 |
適応放散的種分化とは1つの祖先種から複数の異なる生態的特性を持つ種に種分化する現象であり、昔から生物学者の興味を引き多くの研究が行われてきた。しかし、ほとんどは現象や遺伝的特性、系統関係などの記述的研究で、進化メカニズムまで踏み込んだ研究はほとんどない。本研究では最近急速に発展してきた遺伝子/ゲノム解析技術を用いて、実際に適応放散を引き起こした遺伝的変化の特定、自然選択あるいは遺伝的浮動の役割の解析をゲノム全体で行い、適応放散的種分化が生じる進化メカニズムの総合的解明を試みる。そのため、すでに系統関係や各種内の遺伝的変異などの研究が進んでいる小笠原諸島の固有種3種を含むアゼトウナ属(キク科)を対象にしている。 平成23年度は、小笠原固有種のヘラナレン、コヘナラレンおよび、アゼトウナ属の小笠原固有種の姉妹群にあたるアゼトウナについて、22年度に取得した次世代シークエンサーの遺伝子発現配列決定をの比較解析を行った。各14,532、15,325、16,687の独自配列から、類似配列を検出し、種により発現が有意に異なる配列を抽出した。2段階のスクリーニングの結果、ヘラナレンvsコヘナラレンで5個、ヘラナレンvsアゼトウナで32個、コヘナラレンvsアゼトウナで23個の候補遺伝子を得た。これらの詳細な発現比較解析は24年度に行う予定である。また、上記3種の姉妹群に当たる1年草のヤクシソウについて、他の種と同様に次世代シークエンサーによる遺伝子発現配列決定を行い、14,547個の有意に異なる配列を得た。ヤクシソウと他種の比較解析は24年度に行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
次世代シークエンサーの技術的発展と、ランニングコストの廉価化により、データの取得は順調にいっている。最終年度にこれらを解析することにより、十分な成果が得られると思う。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、データ解析を重点的に行う予定である。大量のデータの比較作業が必要であるが、高速処理用の計算機を使用して、効率よくデータ解析を行いたい。
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