研究課題/領域番号 |
22370033
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
深見 裕伸 宮崎大学, 農学部, 准教授 (50402756)
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研究分担者 |
杉原 薫 独立行政法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 研究員 (90320275)
立川 浩之 千葉県立中央博物館, 動物学研究科, 研究員 (90291111)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 分類 / イシサンゴ / 系統 / 化石 / 分子解析 |
研究概要 |
本年度は、申請者および分担者がオーストラリアのケアンズで開催された4年に一度の国際サンゴ礁学会にて成果発表を行い、他の研究者から高い評価を得た。また、学会前に行われたサンゴの分類学者が集まるワークショップにおいても研究発表および意見交換を行った。さらに、日本サンゴ礁学会においても成果発表を行った。 試料採集は当初、奄美大島を予定していたのだが、今後の研究解析の上で必要な種が和歌山にいることが判明したため、和歌山県串本において調査採集を行った。調査では予定通り試料を採集することができた。 分子系統解析については、ミトコンドリアCOIを主に解析データがこれまで採集した試料のほとんどから得られた。キクメイシ科およびオオトゲサンゴ科については、解析はほぼ終了し、現在、2本の投稿論文執筆中である。さらに、ハナガササンゴ属については、分子系統解析および形態解析の結果についてまとめた論文が海外の雑誌にアクセプトされたところである。 形態解析については、現在も継続して行っている。ある程度系統的に離れているグループ間においては、様々な形態を調べたところ、これまでに考慮されていなかった形質に違いがあることを見つけることができた。一方、近縁種間においては、現状では、測定した形質を用いてある程度の区分ができるようになってきたところであり、さらなる形質の探索を目指している。さらに、これらの研究で得られたデータを化石形態に当てはめて現生と化石のつながりを探索している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析に必要なデータが問題なく取れており、国際学会の発表においても高い評価を得ることができた。また、海外の雑誌に成果を発表することもできた。
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今後の研究の推進方策 |
イシサンゴ類の分類を行うに当たって、一番の課題および必要な調査はタイプ標本の観察である。しかも、ほとんどのタイプ標本は海外にある上に、ワシントン条約のため、郵送もできない。そこで、平成25年度にヨーロッパ各地においてタイプ標本の観察を行う予定である。これにより、これまで解析したサンゴ試料の分類学的位置をはっきりとさせることができ、本研究の成果をまとめることができると期待している。
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