研究課題
自然免疫応答は、TLR→リン酸化カスケード→NF-κB→炎症反応という情報伝達により引き起こされる。本研究では、この情報の流れを担う「実行分子群」が「相互作用」を通して、どのように上流から情報を受け取り、また下流へと伝達するのかを解明することを目標とする。また、関連したシグナル伝達系であるIL-18に関しても構造生物学的研究を行う。【MyD88の構造解析】MyD88はTLRやIL-1β受容体、IL-18受容体の細胞内ドメインと相互作用するアダプター蛋白質で、これらシグナルの伝達に必須である。MyD88はTIRドメインを介して上記の受容体と、Deathドメイン(DD)を介して下流のIRAKと相互作用する。MyD88のTIRドメインやDeathドメインについての構造は知られているが、MyD88全長の構造は知られていない。そこで、MyD88全長の構造解析のために試料調製を進めた。大腸菌発現系を用い、培養条件や菌体破砕条件を種々検討したが、良好な試料を得ることができていない。【IL-18:IL-18受容体複合体の結晶構造解析】IL-18はIL-1ファミリーに属する炎症性サイトカインで、細胞内のシグナル伝達系がTLRシグナルと極めて類似している。また、炎症反応においては、TLRシグナルとIL-18には深い関係がある。IL-18がどのようにIL-18受容体によって認識されているかを解明するために、それらの複合体の構造解析を行った。昨年度までに得られていたIL-18:IL-18Rα(細胞外ドメイン)の結晶について解析を進め、構造を決定した。さらに、IL-18:IL-18Rα:IL-18Rβ三者複合体の結晶構造解析を進めた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
Angew Chem Int Ed Engl
巻: 52 ページ: 2430-2434
10.1002/anie.201206563
PLoS One
巻: 7 ページ: e38423
10.1371/journal.pone.0038423
Mol Immunol
巻: 52 ページ: 108-116
10.1016/j.molimm.2012.05.003.
Proc Natl Acad Sci U S A.
巻: 109 ページ: 12950-12955
10.1073/pnas.1203701109
Nano Lett
巻: 12 ページ: 5726-5732
10.1021/nl302979d
J Biomol NMR
巻: 52 ページ: 339-350
10.1007/s10858-012-9614-9.
Curr Opin Chem Biol
巻: 16 ページ: 609-613
10.1016/j.cbpa.2012.10.022