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2011 年度 実績報告書

DGKが関与することが新たに判明した生理機能と難治病態形成の分子機構とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 22370047
研究機関千葉大学

研究代表者

坂根 郁夫  千葉大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10183815)

キーワードPI代謝回転 / ジアシルグリセロールキナーゼ / 糸状仮足 / 細胞膜 / 肝細胞がん / 糖尿病 / 脂質ラフト / カルシウム
研究概要

ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)には10種のアイソザイムが存在する.それらの生理機能はこれまで殆ど不明だったが,最近申請者らは,DGKのα(腫瘍壊死因子α~NF-κB),δ(グルコース~インスリン受容体),η(上皮増殖因子受容体~Raf~MEK~ERK)アイソザイムが,それぞれ重要なホルモン・サイトカイン受容体シグナル伝達系を決定的に制御し,難治病態形成において重要な役割を担う可能性を示した,そこで更に進んで,これらを含むDGKアイソザイムが制御するシグナル伝達機構の詳細と個体レベルでの病態生理機能を明らかにすることを計画した.この内,DGKα,γ,δとηの動態に関して以下の興味ある知見が得られた.
1.DGKαはRas-Raf-MEK-ERK経路の活性化によりヒト肝細胞がんの進行を促進する
2.c-AblチロシンキナーゼはTyr-218のリン酸化によってDGKαの血清誘導性の核から細胞質への移行を制御している
3.Ca_2+結合に伴いDGKαのEFハンドモチーフの構造が変化し,それによってC末側領域との分子内相互作用が弱まる
4.神経細胞においてDGKYの細胞膜局在と糸状仮足様突起形成には相関関係が認められる
5.グルコース刺激によってDGKδはプレクストリンホモロジーとClドメインを介して細胞膜へ一過性に移行する
6.DGKηは高浸透圧刺激に応じて脂質ラフトとは異なる界面活性剤不溶性膜画分へ移行する

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記のように,本年度の研究目的・計画に沿ってほぼ順調に進行し,複数のDGKアイソザイムが関与するシグナル伝達機構に関して様々な興味ある知見が得られた.

今後の研究の推進方策

今後更に研究を進め,各DGKアイソザイムの生理機能や病態における役割の解析を更に進めたい.

  • 研究成果

    (19件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (14件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Diacylglycerol kinase alpha enhances hepatocellular carcinoma progression by activation of Ras-Raf-MEK-ERK pathway2012

    • 著者名/発表者名
      Takeishi, K.
    • 雑誌名

      J. Hepatol.

      巻: 57 ページ: 77-83

    • DOI

      10.1016/j.jhep.2012.02.026

    • 査読あり
  • [雑誌論文] c-Abl tyrosine kinase regulates serum-induced nuclear export of diacylglycerol kinase α by phosphorylation at Tyr2182012

    • 著者名/発表者名
      Matsubara, T., et al.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem.

      巻: VOL.287 ページ: 5507-5517

    • DOI

      10.1074/jbc.M111

    • 査読あり
  • [学会発表] ジアシルグリセロールキナーゼアイソザイムがin vivoで基質とするDG分子種2012

    • 著者名/発表者名
      堺弘道, ら
    • 学会等名
      新学術領域「脂質マシナリー」若手ワークショップ
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      20120201-20120202
  • [学会発表] ジアシルグリセロールキナーゼαのカルシウム依存性の活性化機構2012

    • 著者名/発表者名
      高橋雅人, 坂根郁夫
    • 学会等名
      新学術領域「脂質マシナリー」若手ワークショップ
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      20120201-20120202
  • [学会発表] ジアシルグリセロールキナーゼγの神経細胞突起形成への関与2012

    • 著者名/発表者名
      谷野文彦, 坂根郁夫
    • 学会等名
      新学術領域「脂質マシナリー」若手ワークショップ
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      20120201-20120202
  • [学会発表] ジアシルグリセロールキナーゼηの浸透圧刺激時の細胞内動態変化2012

    • 著者名/発表者名
      松友大介, 坂根郁夫
    • 学会等名
      新学術領域「脂質マシナリー」若手ワークショップ
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      20120201-20120202
  • [学会発表] ジアシルグリセロールキナーゼδの糖刺激による細胞内動態変化2012

    • 著者名/発表者名
      竹内将人, 坂根郁夫
    • 学会等名
      新学術領域「脂質マシナリー」若手ワークショップ
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      20120201-20120202
  • [学会発表] ジアシルグリセロールキナーゼによる甲状腺ホルモン生合成制御機構の解明2011

    • 著者名/発表者名
      佐藤麻由, 坂根郁夫
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      20110921-20110924
  • [学会発表] アシルグリセロールキナーゼαEF-handモチーフのCa^<2+>依存性構造変化の解析2011

    • 著者名/発表者名
      高橋雅人, 坂根郁夫
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      20110921-20110924
  • [学会発表] Overlay法によるDGKアイソザイムとグリセロ脂質,スフィンゴ脂質の相互作用の同定2011

    • 著者名/発表者名
      竹下依那, 坂根郁夫
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      20110921-20110924
  • [学会発表] 神経細胞におけるジアシルグリセロールキナーゼγの細胞膜局在と突起形成の相関関係の解析2011

    • 著者名/発表者名
      谷野文彦, 坂根郁夫
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      20110921-20110924
  • [学会発表] グルコース刺激によるジアシルグリセロールキナーゼδとリン酸化チロシン含有タンパク質との相互作用2011

    • 著者名/発表者名
      臼木貴子, 坂根郁夫
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      20110921-20110924
  • [学会発表] ジアシルグリセロールキナーゼηのプレクストリンホモロジードメインと亜鉛フィンガー様構造が高浸透圧刺激によるNonidet P-40不溶性膜画分への移行に必須である2011

    • 著者名/発表者名
      松友大介, 坂根郁夫
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      20110921-20110924
  • [学会発表] ジアシルグリセロールキナーゼが制御する多彩な生理・病理現象とその分子機構2011

    • 著者名/発表者名
      坂根郁夫
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会シンポジウム「生命現象における脂質マシナリー」
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)(招待講演)
    • 年月日
      20110921-20110924
  • [学会発表] ジアシルグリセロールキナーゼαによる甲状腺ホルモン生合成制御機構2011

    • 著者名/発表者名
      佐藤麻由, 坂根郁夫
    • 学会等名
      第14回ヨウ素学会シンポジウム
    • 発表場所
      千葉大学(千葉県)
    • 年月日
      2011-11-18
  • [学会発表] 2型糖尿病の分子病態と生体膜シグナリング脂質代謝酵素,ジアシルグリセロールキナーゼ2011

    • 著者名/発表者名
      坂根郁夫
    • 学会等名
      Chiba Diabetes Basic Research Seminar
    • 発表場所
      千葉大学(千葉県)(招待講演)
    • 年月日
      2011-05-17
  • [図書] ヨウ素の化学と最新応用技術第2編生物環境とヨウ素第7章甲状腺ホルモン(ヨウ素化チロシン誘導体)の生合成と生理作用機構(横山正孝監修)2011

    • 著者名/発表者名
      坂根郁夫
    • 総ページ数
      60-66(262)
    • 出版者
      シーエムシー出版
  • [図書] 生化学事典3章:脂質ジアシルグリセロール/トリアシルグリセロール(田中啓二,石浦章一,水島昇,谷口直之,遠藤玉夫,竹縄忠臣,伊藤俊樹,花岡文雄,塩見晴彦編)

    • 著者名/発表者名
      坂根郁夫
    • 出版者
      朝倉書店(印刷中)
  • [備考]

    • URL

      http://pchem2.s.chiba-u.ac.jp/chem/lab/sakanelab/bfc/Top_Page.html

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公開日: 2013-06-26  

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