研究課題
本年度は、Draperの細胞内領域に存在するリン酸化を受ける可能性のある2つのチロシン残基のどちらが貪食受容体としての働きに必要であるかを知るための実験に取り組んだ。そのため、それぞれのチロシン残基をフェニルアラニンに置換した変異型遺伝子で野生型draper遺伝子を置き換えたショウジョウバエ株を作成する実験を行うとともに、貪食細胞をリガンドであるPretaporterで刺激した時のDraperチロシン残基のリン酸化程度をin vitroで解析した。前者の実験については、目的とするショウジョウバエ株を得るための最終の交配を行っているところであり、4月中にはすべての株が樹立される見込みである。また、後者の実験では、リン酸化型Draperを検出するために、"phos-tagアクリルアミド"を使った電気泳動手法を導入した。これにより、泳動ゲル内での移動度の違いにより、リン酸化されたDraperを非リン酸化型と分離することができるようになった。現在は、ショウジョウバエ培養細胞にアミノ酸置換型のDraperを標識付きで発現させ、Pretaporter添加の有る無しで、それぞれの変異型Draperのリン酸化程度を野生型と比較する実験に取り組んでいる。一方、残りの2つの課題、変性神経軸索に存在すると予想されるDraperリガンドの同定および大腸菌貪食時のDraperリガンドの同定、への取り組みはいずれも遅れている。来年度は、Draperの貧食受容体としての機能発揮に必要なチロシン残基を決定するとともに、遅れている2つの課題についても解析を始める予定である。
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