研究課題
ユビキチン・プロテアソーム系を介したタンパク質分解が様々な生命現象に重要な働きをしていることが明らかになり、注目を集めている。現時点までに、基質特異性を決めるユビキチンリガーゼ(E3)の研究、中でも哺乳類Cullin型E3の研究が盛んに行なわれてきているが、出芽酵母Cullin型E3の機能解析はあまり進んでいない。出芽酵母にはCdc53、Cul3、Cul8の3種類のCullinが存在するが、最近われわれはCdc53型E3(SCF複合体と呼ばれている)の活性制御因子Lag2を発見し報告した。そこで本課題では、Lag2によるSCF複合体の活性調節の更なる解析、および現在までにほとんど明らかにされていないCul3およびCul8型E3の機能解析を進めている。Lag2がユビキチン様小分子であるRub1修飾を受けることをあきらにしていたが、さらにLag2に31個存在するリジンをアルギニンに置換した変異体を作製し、出芽酵母に発現させ、どのリジンがRub1修飾を受けるのかを解析した結果、16番目のリジンがRub1修飾を受けることを同定した。Lag2はSCF複合体の活性を負に制御するが、この変異体はSCF複合体の活性に影響を及ぼさなかった。現時点でLag2のRub1修飾の意義は不明である。出芽酵母には4種類のBTBタンパク質が存在しているが、Yil001wがCul3と結合することを明らかにした。さらにはYil001wが基質候補として同定したOkp1やPol4と結合し、これらの分子の分解に関与していることを明らかにした。現在、これらの細胞生物学的意義を検討中である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
Mol Biol Cell
巻: (in press)
DOI:10.1091/mbc.E12-12-0907
J Biol Chem
巻: 288(4) ページ: 2839-47
DOI:10.1074/jbc.M112.401851
http://bunshi4.bio.nagoya-u.ac.jp/~2kamura/index.html