研究課題
USP36は核小体に局在する脱ユビキチン化酵素である。核小体は細胞分裂期にいったん消失し、分裂終了後に再形成される。そこで、緑色蛍光タンパク質GFPを融合したUSP36をHeLa細胞に発現させ、ライブセルイメージングにより細胞分裂期におけるUSP36の動態を観察した。その結果、USP36は細胞分裂終了後の核小体再形成の非常に早い段階に核小体の形成される部位に局在化することが明らかとなった。このことは、USP36のノックダウンにより核小体が消失する、という以前に見出していた結果と合わせ、USP36が核小体の形成に重要な役割を担っていることを示唆するものである。すなわち、USP36が核小体の主要機能であるリボソーム生合成のみならず、核小体構造の形成・維持にも働いていることが示唆された。また、ジンク・フィンガー・ドメインをもつ脱ユビキチン化酵素に着目し、そのような脱ユビキチン化酵素の1つであるUSP13の解析を行った。USP13にFlagエピトープ・タグをつけてHeLa細胞に発現させ、免疫蛍光染色を行ったところ、USP13は核において核小体を除く核質に局在した。また抗ユビキチン抗体で共染色した結果、USP13の酵素活性欠失体(優性不能型変異体)の過剰発現により、USP13の基質と予想されるユビキチン化タンパク質が核質に蓄積することがわかった。今後、プロテオーム解析によりこれらのユビキチン化タンパク質を網羅的に同定することにより、核質におけるUSP13の機能解析を進めていく予定である。
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