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2011 年度 実績報告書

脱ユビキチン化酵素による細胞機能の制御メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 22370068
研究機関東京工業大学

研究代表者

駒田 雅之  東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (10225568)

キーワード細胞生物学 / タンパク質品質管理 / 変性タンパク質 / アグリソーム / ユビキチン / 脱ユビキチン化酵素 / プロテアソーム
研究概要

アグリソームは、微小管形成中心付近の細胞質に形成する変性タンパク質の凝集体である。本研究では、ヒト培養細胞において脱ユビキチン化酵素ubiquitin-specific protease(USP)ファミリーのメンバーUSP18を過剰発現させると、微小管形成中心付近に抗ユビキチン抗体によって強く染色される異常構造体の形成が誘導されることを見出した。免疫電子顕微鏡法で観察すると、この構造体はアグリソームの特徴である直径~100nmの電子密度(すなわち分子密度)の高い粒子状構造の凝集体であることが明らかとなった。USP18の酵素活性欠失体によっても同様のアグリソームが誘導されたことから、この現象はUSP18の脱ユビキチン化酵素に非依存的なものであると考えられた。熱ショックやプロテアソーム阻害などの細胞内の変性タンパク質レベルを上昇させる処理により、USP18誘導アグリソームの数やサイズが上昇した。またUSP18誘導アグリソームには、細胞質の変性タンパク質のモデルとして用いられるタンパク質(CL1デグロンなど)、小胞体関連分解をうける変性タンパク質のモデルとして用いられるタンパク質(ウイルスタンパク質VSVGの変異体など)、さらにユビキチン化された変性タンパク質のプロテアソーム分解を促進するタンパク質BAG6の蓄積・局在が観察された。以上の結果から、USP18は細胞内におけるアグリソームの形成、変性タンパク質の除去に関与することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

脱ユビキチン化酵素USP18が細胞内の変性タンパク質の除去に関与することを新たに見出し。この研究成果に関する論文を投稿準備中である。したがって、研究は順調に進展していると判断している。

今後の研究の推進方策

本研究課題では、上記のUSP18に加え、核質において機能するUSP13やUSP37、核小体で機能するUSP36などの脱ユビキチン化酵素の解析も行っている。今後、これらの脱ユビキチン化酵素の機能解析を推進する。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The Ankrd 13 family of UIM-bearing proteins regulates EGF receptor endocytosis from the plasma membrane2012

    • 著者名/発表者名
      Tanno, H.
    • 雑誌名

      Mol.Biol.Cell

    • DOI

      10.1091/mbc.E11-09-0817

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Essential function of protein 4.1G in targeting of MPP6 into Schmidt-Lanterman incisures in myelinated nerves2012

    • 著者名/発表者名
      Terada, N.
    • 雑誌名

      Mol.Cell.Biol.

      巻: 32 ページ: 199-205

    • DOI

      10.1128/MCB.05945-11

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nrk, an X-linked protein kinase in the germinal center kinase family, is required for placental development and fetoplacental induction of labor2011

    • 著者名/発表者名
      Denda, K.
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem.

      巻: 286 ページ: 28802-28810

    • DOI

      10.1074/jbc.M111.258160

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ユビキチン化による核小体の構造と機能の制御2011

    • 著者名/発表者名
      駒田雅之
    • 雑誌名

      生体の科学

      巻: 62 ページ: 422-423

  • [学会発表] 肝細胞増殖因子HGFによる細胞内シグナルの連続した活性化は肝細胞株HepG2の不可逆的な増殖停止を誘導する2011

    • 著者名/発表者名
      瀧澤友里
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      2011-12-16
  • [学会発表] Involvement of ERK-dependent SKP2 down-regulation in HGF-induced inhibition of HepG2 hepatoma cell proliferation2011

    • 著者名/発表者名
      Li, X.
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      2011-12-16
  • [学会発表] 新規CdkインヒビターInk4Xのツメガエル初期胚頭部形成における役割2011

    • 著者名/発表者名
      仁禮綾香
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      2011-12-13
  • [学会発表] 新規ユビキチン結合因子Ankrd13によるエンドサイトーシス制御2011

    • 著者名/発表者名
      駒田雅之
    • 学会等名
      第84回日本生化学会
    • 発表場所
      京都国際会館(京都)(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-23
  • [学会発表] 新規ユビキチン結合タンパク質ファミリーANKRD13のEGF受容体ダウンレギュレーションにおける機能2011

    • 著者名/発表者名
      丹野秀崇
    • 学会等名
      第84回日本生化学会
    • 発表場所
      京都国際会館(京都)
    • 年月日
      2011-09-23
  • [備考]

    • URL

      http://www.kitamura-komada-lab.bio.titech.ac.jp

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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