ゴルジ体ストレス応答は、細胞の需要に応じてゴルジ体の機能を強化する自律的恒常性維持機構である。研究代表者は世界に先駆けてゴルジ体ストレス応答の研究を開拓している。予備的な実験から、ゴルジ体ストレス応答を制御する中心的調節因子である転写因子 TFE3 を同定していた。本研究課題では、TFE3 の活性がリン酸化状態による細胞内局在性によって制御されていることを明らかにするとともに、ゴルジ体ストレスの分子的実体がゴルジ体での糖鎖修飾や小胞輸送の不全に起因することを明らかにした。また、神経細胞やグリア細胞、杯細胞などの細胞分化過程において TFE3 が活性化されることを見出し、ゴルジ体ストレス応答が生理学的に重要な機能を有することを明らかにした。
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