減数分裂前期、染色体のブーケ配置(中心体近傍に染色体末端が集合する現象)が広く観察される。分裂酵母のブーケ欠損変異体では、相同染色体の対合、紡錘糸形成、染色体分配などが異常となる。本研究課題では、ブーケ欠損変異にみられる紡錘糸形成異常は、ブーケ形成そのものではなく、中心体の核膜からの乖離が原因であり、逆に、ブーケ形成が不全であっても、核膜上、中心体が正常に位置していれば、正常な双極紡錘糸を形成可能であることを明らかにした。加えて、そのような場合でも、染色体分配は異常となることから、ブーケ欠損変異の染色体分配異常は、紡錘糸形成異常とは、異なる機構に起因するものであることを示した。
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