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2011 年度 実績報告書

昆虫(コオロギ)を用いた脚切断による再生芽形成メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22370080
研究機関徳島大学

研究代表者

野地 澄晴  徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (40156211)

研究分担者 大内 淑代  徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (00253229)
三戸 太郎  徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (80322254)
キーワード脚再生 / Jak / Stat / ヒートショック / シスエレメント / 発現解析
研究概要

1)再生芽を構成する細胞の系譜の解明:(1)GFPトランスジェニックコオロギの作製piggyBacトランスポゼーズを用いて、トランスジェニックコオロギの作製を行った。特に、組織特異的にGFPを発現させる系の開発をGa14-UASシステムなどを用いて行ったが、結果的に成功しなかった。さらに、ヒートショックプロモーターを用いた系の作製も試みたが、トランジェントなアッセイではヒートショックがかかるが、トランスジェニックラインでは恒常的に発現するラインしか得ることができなかった。その原因については、シスエレメントの長さが関係しているかもしれないので、さらにシズエレメントを広げて試みる予定である。
(2)移植実験:コオロギの幼虫の脚を切断すると、約20日でほぼ完全に再生する。再生芽は切断後5日までに形成され、切断後10日目までには先端から切断面までの微小な構造ができる。GFPを発現するトランスジェニックコオロギの脚を、GFPを発現しないコオロギの脚を移植した。神経細胞と予想される細胞が、ホストの脚からドナーの脚へ移動することがわかった。この細胞についてさらに詳細に研究する予定である。
2)再生芽を誘導する遺伝子群の同定:(1)脚再生過程で発現する遺伝子のESTデータベース作成脚切断前、切断直後の傷修復期、再生芽形成期のcDNAのESTデータを、次世代シークエンサーを用いて集め、ショウジョウバエのデータなどを参考に再生関連遺伝子のデータベースを作成した。(2)再生芽形成初期の組織における遺伝子発現パターンの網羅的解析の結果、Jak/Stat系の遺伝子発現が活性化されていることがわかった。そこで、再生依存性のRNAiを用いて、その機能を解析した。その結果、Jak/Stat系が再生の初期に必要で、ノックダウンにより正常に再生しないことがわかった。今後さらに機能を調べる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

転写調節できるトランスジェニックコオロギの作製を試みてきたが、Ga14-UAS,ヒートショックプロモーターを利用する方法のいずれも、期待された成果が得られなかった。そのため、やや遅れていると判断した。この方法の開発以外は、遺伝子発現の解析、RNA干渉法などを用いた研究は順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

シスエレメントを単離して、組織特異的な発現を制御する方法については、引き続き検討するが、それ以外の方法として、TALEN法による、相同組換えを利用したノックイン法についてさらに検討を行うことにした。この方法により、再生初期に発現する遺伝子の中にGFPなどをノックインできれば、再生に関与する細胞の系譜を追跡することも可能であると考えている。また、Jak/Stat系のシグナルの再生における役割りを解明してゆきたい。さらに、再生芽の形成を制御する因子を探すために、より再生初期に変動する遺伝子に着目して、rdRNAi法により、遺伝子の機能を解析する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Functional analysis of the role of eyes absent and sine oculis in the developing eye of the cricket Gryllus himaculatus2012

    • 著者名/発表者名
      Takagi, A., et al
    • 雑誌名

      Development, Growth & Differentiation

      巻: 54 ページ: 227-240

    • DOI

      doi:10.1111/j.1440-169X.2011.01325.x

    • 査読あり
  • [学会発表] Molecular mechanisms underlying insect leg regeneration : from wound healing to leg size determination2011

    • 著者名/発表者名
      Noji, S
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜市)(招待講演)
    • 年月日
      2011-12-16
  • [学会発表] Regeneration of Insect Legs : Involvement of the JAK-STAT and Dachsous-Fat Signaling Pathways2011

    • 著者名/発表者名
      Noji, S
    • 学会等名
      The 1st CDB-Regeneration Biology Study Group meeting "from Regeneration Biology to Regenerative Medicine (T)"
    • 発表場所
      理化学研究所発生再生センター(神戸市)(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-25
  • [学会発表] Spatio-temporally controlled misexpression of genes using the GAL4/UAS system in the cricket, Gryllus bimaculatus2011

    • 著者名/発表者名
      Matsuda, K.
    • 学会等名
      第44回日本発生生物学会年会
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター(沖縄県)
    • 年月日
      2011-05-20
  • [学会発表] Targeted manipulation of genes with zinc finger nucleases in the cricket, Gryllus bimaculatus2011

    • 著者名/発表者名
      Watanabe, T.
    • 学会等名
      第44回日本発生生物学会年会
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター(沖縄県)
    • 年月日
      2011-05-19

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公開日: 2013-06-26  

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