研究課題/領域番号 |
22370083
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
舘田 英典 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70216985)
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研究分担者 |
陶山 佳久 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60282315)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 集団遺伝学 / 適応進化 / 最終氷期 / 照葉樹林 / 集団構造 / 中立遺伝子 / 適応淘汰遺伝子 |
研究概要 |
本研究は照葉樹林を代表する3樹種イスノキ、サカキ、カラスザンショウと、北米のヌマスギを材料とし、最終氷期最盛期以降の温暖化に伴って起こったと考えられる樹木の適応進化を,遺伝子のレベルで明らかにすることを目的とする。このために「中立遺伝子」で予測される遺伝的変異パターンからずれた変異パターンを持つ「適応淘汰遺伝子」を探索する。これにより照葉樹林やヌマスギの最近2万年間の分布域拡大の様相と、それによって起こった適応進化を明らかにすることを目的とした。本年度はまず次世代シークエンサーから得られたデータを解析するソフトウエアツールを開発した。このツールは得られた多数のリードから質の低いリードを除いた後、リードを個体及び増幅断片(遺伝子)ごとに振り分けてアラインメントを行う。更にそれぞれの増幅断片が一遺伝子座由来であるかどうかを、ハーディーワインバーグ平衡の条件を使って判断する。このツールを使って、サカキの96遺伝子座について鹿児島、宮崎、四国、対馬の4集団合計48個体のシークエンスデータを解析した。その結果、平均集団内塩基多様度は1.1%、集団間の分化の程度表す固定指数は6.8%、Tajima’s Dの平均値は0.102と推定された。カラスザンショウと較べ塩基多様度は高いが、固定指数はかなり低い値を取ることがわかった。イスノキについても鹿児島、宮崎、福岡、四国、対馬の5集団より得られた48個体及び外群種マンサク1個体について96遺伝子座で次世代シークエンサーにより塩基配列を決定した。またヌマスギについてはテキサス、ミシシッピー、フロリダの8集団より得られた個体のDNAを使い、48遺伝子座の塩基配列を決定した。イスノキとヌマスギのデータの解析は終わっていないが、サカキで使用した解析ツールは汎用性があるので、これを使ってできるだけ早く両種の解析を終了する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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