研究課題
オセアニア集団を対象に、beta2アドレナリン受容体遺伝子(ADRB2)多型と肥満との関連を検討し、ADRB2遺伝子上流領域に存在する単一塩基多型(SNP) rs34623097が肥満(BMI>27kg/m2)と最も強い関連を示すことを見出した。HEK293を利用したリポーター遺伝子アッセイを行ったところ、rs34623097-AアリルがGアリルに比べて10%ほどADRB2の発現量を低下させることを見出した。電気泳動移動度シフトアッセイにより、rs34623097-Aアリル特異的に結合する転写抑制因子の存在が示唆され、rs34623097-AはADRB2の発現を抑制することで肥満リスクを高めていると結論した。さらに、分子進化的解析によって、現生人類のrs34623097-Aアリルは、ネアンデルタールから遺伝子移入した可能性があることを示した。ポリネシア人集団の起源と,ポリネシア人の祖先集団からメラネシア先住民への遺伝子流入の可能性を調べるため,6つのオーストロネシア語族集団と1つの非オーストロネシア語族集団に属する計211名を対象に,ドーパミンD4受容体遺伝子(DRD4)のエクソン3領域に位置する48bpの繰返し単位をもつ反復配列多型(VNTR)を解析した。台湾先住民、オセアニア人集団のVNTRアリル頻度分布から、ポリネシア人の祖先は東南アジアに起源をもち、メラネシアにおいて先住民と混血したと推察され、我々の先行研究の結果を支持するものであった。TRIB2遺伝子の3'非翻訳領域に位置するrs1057001-Tアリルが、性別、年齢、BMIで調整した内臓脂肪面積の増加と関連していることを見出した。メラネシアのソロモン人集団において、AGT遺伝子のrs5049-Aアリルが、高血圧のリスクと関連していることを見出した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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