研究課題/領域番号 |
22370090
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
前田 隆浩 長崎大学, 保健・医療推進センター, 教授 (40284674)
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研究分担者 |
中島 憲一郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30039656)
高村 昇 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30295068)
山崎 浩則 長崎大学, 保健・医療推進センター, 准教授 (40346953)
草野 洋介 長崎ウエスレヤン大学, 現代社会学部, 教授 (70325637)
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キーワード | 動脈硬化 / 遺伝子多型 / 頸動脈内中膜複合体厚 / 心臓足首血管指数 / MTHFR遺伝子 / Adiponectin遺伝子 / HDAC4遺伝子 / CARKL遺伝子 |
研究概要 |
平成23年度の健診で704人分の血液サンプル、基本的臨床データ、頸動脈内中膜複合体厚(IMT)および心臓足首血管指数(CAVI)のデータを得た。平成20年度から収集したサンプル3,358例のうち、2,781例(男1,005例、女1,776例、平均年齢66,5歳)からDNAを抽出し、動脈硬化への関与が示唆されているMTHFR遺伝子(rs1801133)、Adiponectin(Adp)遺伝子(rs1501299)、HDAC4遺伝子(rs3791398)、CARKL遺伝子(rs465563)、FOXO3A遺伝子(rs2802292)、Connexin37遺伝子(rs1764391)について多型解析を行った。各々の遺伝子多型頻度は、MTHFR(CC/CT/TT):43.3%/45.1%/11.6%、Adp(GG/GT/TT):53.1%/39.4%/7.5%、HDAC4(GG/GA/AA):80.2%/18.7%/1.1%,CARKL(GG/GA/AA):12.4%/45.1%/42.5%,FOXO3A(GG/GT/TT):4.5%/36.5%/59.1%、Connexin37(CC/CT/TT):71.7%/25.5%/2.7%であった。6遺伝子それぞれの遺伝子多型間で、IMTおよびCAVIに有意差は認めなかった。MTHFR、Adp、HDAC4、CARKLの4遺伝子について、多型解析が全て終了した1,083サンプルを対象に、不利とされる遺伝子多型の保有数をスコア化し、スコア別解析を試みたがIMTおよびCAVIに有意差を認めなかった。 中間解析ではこれまでの研究結果を再現することができなかった。このことは、遺伝要因が動脈硬化に与える影響が小さいことを示唆しており、今後は解析数と解析する遺伝子の種類を増やして再検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成16年に五島市の五島中央病院内に大学の活動拠点である離島医療研究所を設置し、教員3名が常駐して教育・研究活動を展開している。これまでの活動によって自治体や地域医療機関などとの良好な連携が既に構築されており、また、研究所内に解析やサンプル保存など研究を推進する体制が整っていることから、遺伝子多型解析作業やサンプル・データの収集活動は初年度から順調に進んでいる。このため、交付申請時に計画していた研究項目は概ね順調に進んでいるが、中間解析のスコア別解析によってスコアとIMT、あるいはCAVIに有意差を認めなかったため、当初解析を計画していた4遺伝子を6遺伝子に増やして解析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
対象サンプル2,781例(男1,005例、女1,776例)中、4遺伝子全ての解析が終了しているサンプルが1,083サンプルにとどまっていることから、平成24年度に収集する予定のサンプルも含めて、全てのサンプルで解析を終了させ、最終的な統計解析を早めに開始できるようにする。また、研究終了後に本研究成果を活かすための方策と、本研究で強化された大学と地域との連携を継続するための取組(研究会、協議会等)についても準備を進める。
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