研究分担者 |
中島 憲一郎 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (30039656)
高村 昇 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30295068)
山崎 浩則 長崎大学, 保健医療推進センター, 准教授 (40346953)
草野 洋介 長崎ウエスレヤン大学, 現代社会学部, 教授 (70325637)
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研究概要 |
平成24年度の健診で478人分(男性183例、女性295例)の血液サンプル、基本的臨床データ、頸動脈内中膜複合体厚(IMT)および心臓足首血管指数(CAVI)のデータを得ることができた。平成22年度から収集したサンプルのうち、動脈硬化に関連する疾患および喫煙者を除いた1,295例(男性502例、女性793例)について、動脈硬化への関与が示唆されているMTHFR(rs1801133)、HDAC4(rs3791398)、CARKL(rs465563)、Adiponectin(rs1501299)の4遺伝子について多型解析を行った。各々の遺伝子多型の頻度(%)は、MTHFR(CC/CT/TT): 43.2/46.5/10.3、Adiponectin(GG/GT/TT): 53.7/38.9/7.4 、HDAC4(GG/GA/AA): 80.4/18.5/1.1、CARKL(GG/GA/AA): 12.7/44.5/42.8であった。各々の遺伝子について、性別と年齢を補正した上で多型とIMTおよびCAVIとの関連をみたが、有意な関連は認めなかった。また、不利とされる遺伝子多型をスコア化し(MTHFR: CC=0, CT=0, TT=1, Adiponectin: GG=1, GT=1, TT=0, HDAC4: GG=0, GA=1, AA=1, CARKL : GG=0, GA=1, AA=1)、保有数をもとにOから4の5グループに分類した上で解析を試みたが、グループとIMTおよびCAVIに有意差を認めなかった。しかしながら、有意ではないもののスコアが増加するに伴ってCAVI値が上昇する傾向が認められた。 以上の結果より、遺伝要因が動脈硬化に与える影響は小さいことが示唆されるが、関連している傾向が認められることから、今後は解析数と解析する遺伝子の種類を再検討する必要がある。
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