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2012 年度 実績報告書

イネ属ゲノムに取り込まれたウイルス配列の機能探索~イネツングロ病に着目して~

研究課題

研究課題/領域番号 22380001
研究機関北海道大学

研究代表者

貴島 祐治  北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60192556)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードイネ / ツングロ病 / RTBV / ERTBV / グラベリマ種 / ウイルス抵抗性 / qTDR5
研究概要

1. Oryza属におけるERTBVの起源の特定からRTBVの病原発生地域を推定する。
イネゲノム(O. sativa 日本晴)のERTBV配列を88箇所で特定し、これらの中でジャポニカおよびインディカ系統で共通に検出されたERTBV断片について、由来のはっきりしている世界の栽培イネ65系統とルフィポーゴン(野生イネ)25系統を用いて、ERTBV各断片の存否を明らかにし、イネ系統の分布とERTBV断片を対応させた。その結果、ERTBVは4つに大きく分かれ、明確に異なるウイルス系統樹を持つことを示した。各ERTBV断片の系統関係とイネの由来からERTBVの起源は、中国南部のイネ系統から由来した可能性が高く、一部インディカでは東南アジアからの野生イネと強く関連した。また、最も古いERTBVのタイプはアフリカ起源のOryza種から見いだされたものと似通っていたことから、このタイプはアフリカ起源であると予想できた。
2. ジャポニカの持つ基本的なツングロ病への抵抗性とERTBVの関連性を具体的に検証する。
アフリカ稲(O. glaberrima) WK18系統と台中65系統の間で3回戻し交配自殖系統BC3F2 集団を作成し、RTBV感染実験に使った。BC3F2集団へのRTBV感染実験の結果、染色体5番にWK18系統の断片では感受性で台中65の断片では抵抗性を示す領域が見いだされ、この染色体領域をqTDR5と名付けた。この中にはERTBVが1つ存在していた。さらにqTDR5のヘテロ接合個体を自殖させ、qTDR5がWK18型と台中65型に分離した後代集団に再びRTBVを感染させると、抵抗性と感受性がqTDR5の台中65型WK18型との違いで分かれることを確認した。したがって、台中65系統の持つツングロ病(RTBV)に対する抵抗性の遺伝因子は、qTDR5に起因することを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] A pair of transposons coordinately suppresses gene expression, independent of pathways mediated by siRNA in Antirrhinum.2013

    • 著者名/発表者名
      Uchiyama, T.
    • 雑誌名

      New Phytologist

      巻: 197 ページ: 431-440

    • DOI

      10.1111/nph.12041

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evolutionary force of AT-rich repeats to trap genomic and episomal DNAs in the rice genome: lessons from endogenous pararetrovirus.2012

    • 著者名/発表者名
      Liu, R.
    • 雑誌名

      The Plant Journal

      巻: 72 ページ: 817-828

    • DOI

      10.1111/tpj.12002

    • 査読あり
  • [学会発表] ゲノムにウイルス断片を持つイネ系統のウイルス抵抗性2012

    • 著者名/発表者名
      貴島祐治
    • 学会等名
      日本育種学会
    • 発表場所
      京都産業大学(京都市)
    • 年月日
      20120914-20120915
    • 招待講演
  • [学会発表] イネゲノムの反復配列に基づく低温鈍感力の解析2012

    • 著者名/発表者名
      貴島祐治
    • 学会等名
      日本草地学会北海道大会
    • 発表場所
      酪農学園大学(北海道江別市)
    • 年月日
      20120827-20120829

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公開日: 2014-07-24  

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