研究課題
研究代表者と研究分担者らが最近発見したダイズにおける新規なトランスポソンを用いて、遺伝子の機能解析、ならびに、育種素材の開発を行うことを目的として研究を行った。研究代表者と研究分担者は、日長に対して不感受性になるダイズ変異系統の解析から、ダイズにおける新規なTy1/copia様レトロトランスポゾンを見出し、これをSORE-1と名づけている。SORE-1が実際にダイズの進化の過程でフィトクロームA遺伝子を破壊している事実に基づき、SORE-1を突然変異原として使うことを想走して研究を進めた。SORE-1を突然変異原として用いる場合、ゲノム中に多数存在するSORE-1のコピーの中で、高い転移活性を保持するものを同定することは重要であるため、本年度は、最近転移したと考えられるSORE-1のコピーの同定を試みた。この目的から、第一に、ダイズ品種Williams 82に関するゲノムデータベースを解析することにより、この品種のゲノム中における完全なSORB-1のコピーが存在する位置をすべて同定した。続いて、トランスポゾンディスプレイ法を用いた系統間での比較により、最近、転移を起こしたと考えられるSORE-1コピーを同定した。その挿入部位を解析することにより、遺伝子領域に挿入したSORE-1のコピーを同定した。それらは、Williams 82において同定した挿入位置とは異なった場所に存在しており、転移が最近起きたことが裏付けられた。
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