研究課題/領域番号 |
22380004
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
木庭 卓人 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (40170302)
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研究分担者 |
佐々 英徳 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 准教授 (50295507)
菊池 真司 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 助教 (80457168)
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キーワード | 育種学 / 遺伝子 / ゲノム / 植物 / 交雑親和性 / 花粉管 / QTL解析 / マッピング |
研究概要 |
パンコムギの交雑親和性は、遠縁交雑の花粉を拒絶する生殖隔離の機構である。パンコムギの交雑親和性は5B染色体長腕に座乗するKrl遺伝子が最も強く関与していると考えられてきた。本年度は、交雑親和性遺伝子座に連鎖する分子マーカーを捜索するために、CS/Hope RIL集団において、ライムギとの交雑結実率でQTL解析を調査した。この結果、5B染色体短腕末端のSSRマーカーのみにQTLが検出され、長腕側のKrl領域にはQTLは検出されず、このマッピング集団では交雑親和性の形質はSkr遺伝子座のみが分離していると考えられた。この集団はKrlの座乗位置を決めたテロソミックマッピングに用いられた組み合わせであることから、交雑親和性を制御しているKrlは短腕のSkrに相当すると考えられた。この形質は花粉管伸長との相関が高く、Skr遺伝子の効果が異種花粉管の伸長阻害であることを明らかにした。また、CS/Cheyenne、CS/Mara、CS/Hopeの3集団で比較マップを行ったところ、交雑親和性はcfb306、cfb341、gwm234のSSRマーカーにおいて強い連鎖を示すことが示唆された。これらのマーカーは、コムギ遺伝資源プール活用のため、交雑親和性遺伝子の導入を行う際のマーカー利用選抜育種に有効であると期待できる。これらの集団より,、準遺伝子同質系統を作成のための戻し交雑を行い、Skrヘテロ接合型でもマーカー利用選抜が有効であることを確認した。
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