研究概要 |
遣伝子発現QTL解析のベースとなる多検体のデジタル遺伝子発現解析法(ハイスループットSuper SAGE法)を確立し(Matsumura et al.,Plos ONE)、イネ品種「蒙古稲」(日本型)と「C8005」(インド型)を両親としたRILs(Reeombinant Imbred Lines)の幼苗の発現解析試料調整法の確立を行った。96ウェルプレートもしくは8連PCRチューブ内で酵素反応等を行い、DNA精製は磁気ビーズを用いるプロトコールを確立している。またこれら多系統のRILsの遺伝子型タイピングについてゲノムDM断片からタグを調整して大規模シークエンス解析から多型を網羅的に解析する方法(ゲノムタグ解析法)を試みた。親品種を含む96試料のDNAからタグを抽出し、96種類の試料識別配列を持つアダプターに結合させて同時にシークエンス解析(イルミナ社ゲノムアナライザー)を行った。その結果、全ての試料について50万タグ以上のデータを得ることができ、RILs各系統での数千箇所の多型の遺伝子型をタイピングできた。これらのRILsにおけるSuper SAGEによる発現解析データと網羅的なジェノタイピングデータを組み合わせて遺伝子発現QTL領域の同定を試みる。 これらの技術により96試料でもインデックス配列を利用することで同時にシークエンス解析が可能であることを示しており、試料当たりの解析単価、解析効率を大幅に改善する方法である。タグの抽出、インデックス配列によるデータの仕分けは市販のゲノム配列解析ソフトウェアを利用して行うことが可能である。
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