研究概要 |
ゲノミックセレクション(GS)法は、特定のトレーニング集団から得られたデータをもとに育種値(遺伝子の平均効果の和)を推定する式を作成し、育種の選抜過程においては遺伝子型値のみから推定された育種値をもとに優良個体を選抜する育種法である。本申請研究は、多系交雑集団を作成してゲノムの連鎖不平衡の距離を広げることで、より少ないDNAマーカーで効果的なGSを行う方法を開発・実証するものである H22年度はアカクローバの多型交雑集団(以下AIL集団)各200個体を日本、スイス、インドおよびロシアの4カ国で栽培し、開花特性、収量性および植物性エストロジェン濃度など様々な形質の評価を行った。一方、ゲノムワイドなSSRマーカーによる多型マーカーによる遺伝し型解析を行った。これらのマーカーより検出された平均のアレル数は6.5であった。さらにSNPマーカーの開発を進めるため、Roche社454シーケンサーを用いてアカクローバの異なる2系統の配列を収集し、配列のアセンブルおよび候補SNPの検出を行った。アセンブルの結果えら得たコンティグ数は41,587であり、全リード長は45,990,294Mbpだった、これらの配列から2,227の候補SNPを設計し、Illumina社GoldenGateのSNPタイピングに適する1536のSNPを選抜した。AIL集団における多型解析の結果、1536SNPのうち784SNPが集団内で分離することが明らかとなった。
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