研究課題/領域番号 |
22380011
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研究機関 | 公益財団法人かずさDNA研究所 |
研究代表者 |
磯部 祥子 公益財団法人かずさDNA研究所, 植物ゲノム研究部, 主任研究員 (20343973)
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研究分担者 |
中谷 明弘 脳研究所, 生命リソース研究センター・生命情報工学分野, 准教授 (60301149)
田畑 哲之 公益財団法人かずさDNA研究所, 副所長 (70197549)
白澤 健太 公益財団法人かずさDNA研究所, 植物ゲノム研究部, 研究員 (60527026)
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キーワード | 植物分子育種 / 他殖性 / ゲノム |
研究概要 |
ゲノミックセレクション(GS)法は、特定のトレーニング集団から得られたデータをもとに育種値(遺伝子の平均効果の和)を推定する式を作成し、育種の選抜過程においては遺伝子型値のみから推定された育種値をもとに優良個体を選抜する育種法である。本申請研究は、多系交雑集団を作成してゲノムの連鎖不平衡の距離を広げることで、より少ないDNAマーカーで効果的なGSを行う方法を開発・実証するものである。 H23年度はH22年度に引き続き、多型交雑集団(以下AIL集団)各200個体を日本、スイスおよびインドの4ヶ国で栽培し、形質評価を引き続き行った。また、H22年度に開発したSNPのうち、ゲノム全体をカバーし、かつ集団内の分離の程度が良好だった384SNP、および75SSRマーカーを用いて、形質評価を行った全ての個体群に対し、遺伝子型解析を行った。解析を行った384SNPについては、H22年度に解析を実施できなかった約400個体についても遺伝子型解析を行った。得られた遺伝子型と表現型値をもとにGenotype Matrix Mapping法により解析を行ったところ、有意なQTLを同定することができた。一方、ゲノムワイドなマーカーから選抜マーカーを同定する手法として、連続した表現型値を1/0データに変換した後に選抜マーカーを同定するAdaboost法による選抜法を開発した。Adaboost法による選抜マーカーとGMM法により検出されたQTL近傍のマーカーを比較したところ、概ね一致することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Genomics Selectionを行うにあたり、推定式を作出するための遺伝型および表現型値については、概ね計画通り取得することができた。また、推定式の算出法についてマーカーの絞り込み等を行う手法について検討し、おおよその方向性を立てることができた。Genomic Selection法については現状と問題点をReviewにまとめ、現在査読付雑誌において印刷中である。
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今後の研究の推進方策 |
これまで取得したデータをもとに作出した育種値推定式を用いて、選抜マーカーの同定を行う。対象とする形質は、環境の影響を極めて受けやすい種子生産性、影響を受けやすい開花始め日、および環境の影響を受けにくい毛ジの程度とする。同定した選抜マーカーを用いて、トレーニング集団と同様の遺伝子型背景をもつAIL集団1000個体から選抜を行う。選抜した個体群および無選抜の個体群の形質と遺伝子型の評価を行い、選抜効果を確認する。
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