イネは全生活環を通して,モミラクトンAとBを1日あたりそれぞれ最大約4μgと4μg水田土壌に放出した。それらの放出量は,水田の雑草イヌビエの成長を抑制するのに十分な量であった。 モミラクトンの成長抑制の作用点は,ジベレリンの生合成,感受,シグナル伝達系に関与していなかった。しかし,シロイヌナズナのSALK T-DNA Insertion lineでモミラクトンに高感受性と非感受性の変異体が存在していた。また,モミラクトンは,シロイヌナズナの解糖系や活性酸素除去に関与するタンパク質の発現に影響を与えることで,成長抑制を引き起こし,アレロパシー作用を発現している可能性があることが明らかになった。
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