研究課題/領域番号 |
22380018
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅野 明 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (10260449)
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研究分担者 |
三位 正洋 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (30093074)
半田 高 明治大学, 農学部, 教授 (00192708)
遊川 知久 独立行政法人国立科学博物館, 筑波実験植物園, 研究主幹 (50280524)
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キーワード | シグモルキス / MADS-box遺伝子 / 遺伝子単離 / 遺伝子発現 / 形質転換 / 突然変異体 / アグロバクテリウム法 / PLB培養 |
研究概要 |
シグモルキス(Psygmorchis pusilla)のアグロバクテリウム法を用いた形質転換系の開発を試みた。無機塩類を除去した培地で接種および共存培養したPLBは、共存培養後の一過的なGUS発現は通常の培地を用いた時と比べて顕著に高くなった。また、選抜開始から1ヶ月の時点では、通常の培地で接種を行ったPLBがほとんど褐変したのに対して、接種時に無機塩なしの試験区では多くのPLBが生き残っていた。しかし、これらの生き残ったPLBのほとんどは増殖せず、徐々に褐変していくことが見られ、選抜から2ヶ月後にわずかに残っていた。このことからシグモルキスは、現在使用しているCaMV35Sとトウモロコシ由来のUbiquitinプロモーターではジーンサイレンシングが起きやすい可能性が高いと考えられた。 シグモルキスの増殖を目的としたPLB培養におけるナフタレン酢酸(NAA)と6-ベンジルアデニン(BA)の影響を調査した。その結果、NAAに関して0.05mg/L、0.1mg/L、0,5mg/L、1.0mg/Lの4区、BAは0.5mg/L、1.0mg/L、1.5mg/L、2.0mg/Lの4区において、増殖率を比較した結果、シグモルキスのPLB培養においては、NAA0.1mg/L、BA1.5mg/Lの添加が最も増殖を促進することが判った。またBAの2.0区においてPLBの増加率は劣ったが、他の区に比べて植物体への分化の起点となる幼原基を多く形成した。このことから、BA2.0条件下ではPLBの増殖が抑制される代わりに植物体への分化が誘導される可能性がある。 また多数のシグモルキス個体を栽培し、様々な発達段階の花芽をサンプリングした。この花芽から作成したcDNAプールを鋳型とし、PCR法によりBクラス遺伝子の1つであるDEF-like遺伝子1種類のcDNA断片単離に成功した。
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