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2012 年度 実績報告書

都市住民による新たな農的活動とそのアダプティブマネジメントに関する計画論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22380021
研究機関東京大学

研究代表者

横張 真  東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (60302379)

研究分担者 青柳 みどり  独立行政法人国立環境研究所, 社会システム研究センター, 室長 (70175751)
渡辺 貴史  長崎大学, 水産・環境科学総合研究科, 准教授 (50435468)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード農的活動 / アダプティブマネジメント / 生産能力 / 労働主体 / 土地
研究概要

本年度は、これまでの研究成果を踏まえて、新たな農的活動の実態とそのアダプティブマネジメントの在り方について総括した。具体的には、神奈川県横浜市や千葉県柏市を対象として、郊外における新たな農的活動の実態を歴史的文脈のなかに位置付け、そうした活動を活かした都市像として「「農」ある郊外」を提案した。一方で、タイ・バンコクや韓国・ソウルの郊外を対象として、農に関する土地利用や法制度の変遷を整理し、「農」ある郊外」のアジア大都市への展開可能性を論じた。そして、「「農」ある郊外」の実現に向けた課題として以下の3点について論じ、本研究のまとめとした。
(1)多様な農的活動とそのマネジメント 農的活動は、営みから生業まで多様な目的のもとで展開されることが明らかとなった。活動の持続性を確保するためには、それぞれに対して適切な運営スキームを用意し、それらをアダプティブに変化・発展させることが必要である。
(2)活動が行われる空間の制御 農的活動が行われる空間は、とくに都市部では住宅地における空閑地であり、発生と消失が恒常的・同時多発的に起きえることが明らかとなった。このことを制御し、安定した生産量が維持されるように、従来とは異なる理念に基づく新たな法制度の構築が必要である。
(3)ライフスタイルとしての「農」 EU「持続可能なライフスタイル」に関するプロジェクトでは、都市における農業活動、農業生産、地産地消が欧州の2050年にむけての持続可能なライフスタイルの主要な要素として位置づけられている。地域主権、地域の自立を目指す際の食糧やエネルギー供給としての位置づけや、人々の生活に潤いをもたらすものとしての位置づけはとくに強調されており、本研究の海外先進事例調査でもその様子は随所で確認された。日本においても、今後、地域の自立の柱の一つとして、「農」のあるライフスタイルを位置づける必要がある。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] A Historical Study of Farmland Owned and Used by Urban Residents Remaining in Peri-urban Areas of Seoul, Korea2012

    • 著者名/発表者名
      Kang, U., Miyamoto, M., Sawyer, K. and Yokohari, M.
    • 雑誌名

      The 13th International Symposium of Landscape Architecture: The Role of Landscape Architecture for Ecotourism and Green Infrastructure Policy

      巻: 2012.9 ページ: 219-223

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Neglected Canals: Deterioration of Indigenous Irrigation System by Urbanization in the West Peri-Urban Area of Bangkok Metropolitan Region2012

    • 著者名/発表者名
      Davivongs, V., Yokohari, M. and Hara, Y.
    • 雑誌名

      Journal of Water

      巻: 4(1) ページ: 12-27

    • DOI

      10.3390/w4010012

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 初期の港北ニュータウン計画における農的土地利用の計画意図2012

    • 著者名/発表者名
      原田文恵・雨宮護・横張真
    • 雑誌名

      ランドスケープ研究

      巻: 75(5) ページ: 593-596

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ローカルな資源利用にもとづく地域再生2012

    • 著者名/発表者名
      横張真・寺田徹・雨宮護
    • 雑誌名

      環境情報科学

      巻: 41(2) ページ: 50-55

  • [雑誌論文] 土地履歴の解釈にもとづく文化財としての文化的景観の捉え方の検討2012

    • 著者名/発表者名
      宮本万里子・横張真・渡辺貴史
    • 雑誌名

      ランドスケープ研究

      巻: 75(5) ページ: 597-600

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 論日本城市農用地的保留対于可持続発展城市環境之影響(日本語訳:持続可能な都市環境の形成に対する日本都市農地の保全の影響に関する考察)2012

    • 著者名/発表者名
      渡辺貴史
    • 雑誌名

      中国名城

      巻: 2012.7 ページ: 17-23

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「農」がある都市:農地の環境保全機能を活かした都市の再編2012

    • 著者名/発表者名
      渡辺貴史
    • 雑誌名

      21世紀東アジア社会学

      巻: 5 ページ: 131-144

    • 査読あり
  • [学会発表] 持続可能なライフスタイル研究のスコープ2012

    • 著者名/発表者名
      青柳みどり
    • 学会等名
      社団法人環境科学会2012年会
    • 発表場所
      横浜国立大学
    • 年月日
      2012-09-13
  • [学会発表] 地方中核都市の非建ペイ地における農的利用の実態

    • 著者名/発表者名
      渡辺貴史
    • 学会等名
      第8回海港都市国際シンポジウム「東アジア交流圏の構想と海港都市の経験」
    • 発表場所
      長崎大学
  • [図書] 郊外の緑地環境学2012

    • 著者名/発表者名
      横張真・渡辺貴史
    • 総ページ数
      275
    • 出版者
      朝倉書店
  • [図書] 地域環境政策2012

    • 著者名/発表者名
      渡辺貴史
    • 総ページ数
      228
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
  • [図書] もう一つの長崎さるく-豊かな景観と育んだ歴史的個性2012

    • 著者名/発表者名
      渡辺貴史
    • 総ページ数
      223
    • 出版者
      晃洋書房

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公開日: 2014-07-24  

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