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2012 年度 実績報告書

重金属塩によるナシ花柱内リボヌクレアーゼの不活化を利用した単一品種栽培法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22380022
研究機関三重大学

研究代表者

平塚 伸  三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (10143265)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードニホンナシ / 重金属イオン / RNase不活化 / 無受粉 / 無摘果 / 単一品種栽培
研究概要

ナシは自家不和合性を有するため他品種花粉の受粉が必須であり、着果し過ぎた幼果は摘果する必要がある。これらは手作業で行われることから、ナシ栽培の労働単価が極めて低い原因となっている。本研究は、ナシの不和合性を雌側で制御しているRNaseを重金属塩処理によって不活化し、無受粉・無摘果栽培体系の確立を目指したものである。
ナシ花柱のRNase活性は1mM以上の硫酸銅によって1/3以下まで不活化され、‘幸水’ナシの蕾(開花8~6日前)への1~2mMの溶液散布によって、高い着果率が得られた。着果誘起するのは銅や鉄イオンであり、銅イオンを含むボルドー散布でも同様な効果が確認された。従って、薬散・受粉・摘果に要する時間は、従来の1/3以下となることが明らかとなった。但し、得られた果実は小さなものが多かったため、満開1ヶ月後に果梗にジベレリン処理を行った。その結果、受粉区と同程度の果実肥大と収量が得られて熟期も促進され、従来の栽培法に比べて1.5倍の収益増になるとの試算を得た。
Cu++などの重金属イオンが、RNase活性を抑制する機構は不明である。Cu++はRNase A,SおよびT1を、Fe++はRNase A,S,BおよびT1を抑制することが確認された。また、Cu++と花柱タンパク質は分子振るいカラムで容易に分離されること、Cu++と花柱タンパク質混合溶液から硫安沈殿によって単離したタンパク質のRNase活性が回復することから、金属イオンはRNaseと強固に結合することなく、溶液中でその三次構造(水素結合やスタッキング構造)や糖鎖に作用しているものと推察された。
花柱内の花粉管伸長調査により、重金属イオンは不和合性打破ではなく単為結果により着果誘発することが明らかとなった。この着果誘発に、ACC合成酵素や酸化酵素などのエチレン生成系が関与する可能性は低いと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Pollen factors controlling self-incompatibility strength in Japanese pear.2012

    • 著者名/発表者名
      Hiratsuka, S. et al.
    • 雑誌名

      Sexual Plant Reproduction

      巻: 25 ページ: 347-352

    • DOI

      10.1007/s00497-012-0202-7

    • 査読あり
  • [学会発表] ニホンナシの自家不和合性に関する研究.(第62報)ボルドー処理によるハウス‘幸水’の無受粉・無摘果栽培の検討.2013

    • 著者名/発表者名
      林田大志
    • 学会等名
      園芸学会
    • 発表場所
      東京農工大学
    • 年月日
      20130323-20130324
  • [学会発表] ニホンナシの自家不和合性に関する研究.(第60報)自家不和合性の品種間差には花粉プロテアーゼが関与する.2012

    • 著者名/発表者名
      平塚 伸
    • 学会等名
      園芸学会
    • 発表場所
      福井県立大学
    • 年月日
      20120922-20120924
  • [学会発表] ニホンナシの自家不和合性に関する研究.(第61報)’幸水’花そうへの重金属塩処理がエチレン発生に及ぼす影響.2012

    • 著者名/発表者名
      林田大志
    • 学会等名
      園芸学会
    • 発表場所
      福井県立大学
    • 年月日
      20120922-20120924

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公開日: 2014-07-24  

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