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2010 年度 実績報告書

カンキツの果実離脱に関わる分子機構の解明と単為結果性の評価

研究課題

研究課題/領域番号 22380025
研究機関京都大学

研究代表者

北島 宣  京都大学, 農学研究科, 教授 (70135549)

研究分担者 羽生 剛  京都大学, 農学研究科, 助教 (60335304)
清水 徳朗  独立行政法人農業食品産業技術総合研究機構果樹研究所, 上席研究員 (90355404)
キーワード果樹 / カンキツ / 単為結果 / 離脱 / 遺伝子発現
研究概要

1. 一次生理落果の種・品種間特性
ウンシュウミカン、ポンカン、ヒュウガナツ、'清見'の花を採取し、花梗部を寒天挿しして離脱調査を行った結果、寒天挿し72時間後においてヒュウガナツと'清見'はほぼすべてが離脱したのに対し、ウンシュウミカンとポンカンの離脱率は20%前後であり、種・品種間差異が認められた。組織観察の結果、一次生理落果の離脱は花梗と花梗枝との接合部位で生じ、離脱組織の断面は直線的で、離層組織と思われる数層の小細胞が認められたことから、離脱過程の進行に伴って離層組織が発達し、離脱に至ることが強く示唆された。
2. 二次生理落果の種・品種特性
果実採取後に果梗を寒天挿しして離脱調査を行った結果、人工授粉果実では寒天挿し90時間後にポンカンは80%以上離脱したのに対し、ヒュウガナツの離脱率は5%程度であった。花粉遮断果実では、寒天挿し84時間後でポンカンの離脱率は90%以上となったが、ウンシュウミカンと'清見'では離脱率が40%以下であり、これらは単為結果性の形質を有していると考えられた。また、寒天培地へのショ糖5%添加により、ウンシュウミカンと'清見'では無添加に比べて離脱率が顕著に高まった。二次生理落果の離脱部位は果実と果盤の接合部であり、この部位では離層組織の発達は認められず、離脱組織の横断面は不定形であった。
3. 離脱部位の遺伝子発現解析を行ったところ、単為結果性の強いものは細胞壁分解に関連する酵素遺伝子の発現が低かった。これらのことから、一次落果と二次落果の果実離脱の機構は異なること、単為結果性の強いカンキツでは細胞壁分解酵素遺伝子の発現が抑制されている可能性が考えられた。

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公開日: 2012-07-19  

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