研究課題
キュウリモザイクウイルス黄斑系統[CMV(Y)]抵抗性遺伝子RCY1とアブラナ科べと病菌分離株Emco5抵抗性遺伝子RPP8は、CC-NB-LRR型抵抗性タンパク質をコードする対立遺伝子である。RCY1とRPP8抵抗性遺伝子、およびRCY1-RPP8間で各ドメインを交換した10種類のキメラ抵抗性遺伝子を、アグロインフィルトレーション法によりNicotiana benthamiana葉で一過的に発現し、過敏感細胞死を指標とした抵抗性発現の誘導を解析したところ、CMV(Y)に対する抵抗性応答には、RCY1のLRRドメインが関与することが明らかになった。さらに、キメラ抵抗性遺伝子を形質転換したシロイヌナズナを用いて同応答を解析したところ、RCY1タンパク質のLRRドメインの全体構造がCMV(Y)抵抗性誘導に重要であることを確認することができた。また、べと病菌分離株Emco5に対する応答を、同キメラ抵抗性遺伝子を発現するシロイヌナズナを用いて解析したところ、べと病菌抵抗性は、CC-NBドメインがRCY1でLRRドメインがPRR8に由来するキメラタンパク質の発現では誘導されず、RPP8タンパク質の全体構造が必要であることが明らかになった。次に、これまでの研究でRCY1遺伝子の高発現によるCMV抵抗性の増強を見出していることから、RCY1とRPP8遺伝子の発現を制御する機構について解析したところ、両遺伝子とも、イントロンの存在がRCY1・RPP8タンパク質の高蓄積(Intron-mediated enhancement)とそれに伴う抵抗性の増強に関わっていることが明らかになった。抵抗性発現を決定している抵抗性タンパク質の機能ドメイン構造と蓄積量制御に関わる知見は、病害抵抗性の分子基盤の理解に寄与するものと言える。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLoS ONE
巻: 9 ページ: -
10.1371/journal.pone.0107185
Plant Cell Reports
巻: 33 ページ: 99-110
10.1371/journal.pone.0095410