研究課題
(A)植物因子(B)ウイルス因子(C)サイレンシング系の3プロジェクトを推進した。A-1)抗BMV抗体を用いた免疫学的検出法であるドットブロット法とELISA法によってBMV感染イネを正確、迅速、大量に検出できる系を構築できた。A-2)農業生物資源研究所のリソースセンターを始めとする数カ所の研究所において整備されている種々のイネ交雑系統を遺伝解析に用いるため、まずそれらの交配親におけるBMVの感染性を調査した。その結果、インド型品種のハバタキ、IR24や密陽23号で効率良く全身感染し、日本型品種のコシヒカリ、ササニシキ、アソミノリ、アキヒカリでは全く感染が見られなかった。この結果、既存の染色体断片置換系統群やリコンビナント自殖系統群が利用できることが分かった。B-1)BMV-F系統がイネに感染したことから、他の入手可能なBMV系統についてもイネにおける感染性を調査した結果、複数の系統で感染性や病徴に差はあるものの全身感染が見られた。B-2)BMV-F系統に感受性のIR64のプロトプラストを用いた感染系を確立できた。イネ品種IR64に感染するBMV-Fと感染しないBMV-KU2はともに一細胞において少なくとも複製することが確認された。これら2系統間でキメラウイルスを作成し調査した結果、RNA2の違いがイネにおける全身感染に重要であることが明らかとなった。B-3)病徴を誘導するBMV-F系統と誘導しないBMV-PV180系統を定量実験に供した結果、病徴発現と増殖量に相関があることが明らかとなった。C-1)さらに種々のBMV系統を複数のインド型品種に接種し、増殖量と病徴の関係を詳しく調べた結果、増殖量と病徴発現には相関があることが判明した。全身感染するものの弱い病徴しかし示さないBMV系統を選抜し、サイレンシングベクター化の準備を始めた。
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