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2010 年度 実績報告書

テントウムシに関連した擬態斑紋形成メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22380035
研究機関名古屋大学

研究代表者

新美 輝幸  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教 (00293712)

研究分担者 大場 裕一  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教 (40332704)
キーワードテントムシ / 擬態 / 斑紋形成
研究概要

テントウムシの鞘翅は、斑紋のパターンのみならず斑紋を構成する色彩においても多様性に富んでいる。多くのテントウムシは、ナミテントウのように警告色として機能する赤色と黒色からなる目立つ斑紋を持つ。このようなテントウムシの色彩は、いかに進化してきたのであろうか?そこで本研究では、テントウムシ鞘翅斑紋の色素分析を行った。これまでに、ナミテントウの鞘翅の黒色色素はメラニン、赤色色素はカロテノイドであることが判明している。そこで、各種テントウムシについても色素の分析を行った。まず黒色色素の分析では、テントウムシの蛹期の翅原基においてメラニン合成過程で作用するPhenoloxidase(PO)の活性染色を行った。その結果、実験したすべての種で鞘翅斑紋の黒色領域に一致したPO活性が見られた。次に、鞘翅斑紋の黒色色素以外の色素分析を行った。鞘翅のヘキサン抽出、アンモニア抽出、およびTLC分析の結果、カロテノイド系色素やプテリジン系色素を持つ種が存在することが示唆された。さらに、28SrDNAに基づきテントウムシの系統樹を作成し、テントウムシの系統発生における斑紋色素の獲得について考察した。
また、ヘリグロテントウノミハムシを用いた解析により、メラニン生合成に関与する酵素遺伝子において、赤色斑紋の形成に必須の役割を果たす遺伝子を同定した。
さらに、トランスジェニック・ナミテントウを用いた斑紋形成遺伝子群のレポーターアッセイを行うため、ナミテントウの紅型および斑型から斑紋プレパターン遺伝子のプロモーター上流域をクローニングした。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (10件)

  • [雑誌論文] テントウムシの斑紋と擬態2010

    • 著者名/発表者名
      伊藤彰紀・大場裕一・柳沼利信・新美輝幸
    • 雑誌名

      昆虫DNA研究会ニュースレター

      巻: 13 ページ: 17-23

  • [学会発表] テントウムシ鞘翅斑紋の色素分析2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤彰紀・後藤久美子・原喜実子・大場裕一・柳沼利信・新美輝幸
    • 学会等名
      平成23年度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会
    • 発表場所
      要旨集
    • 年月日
      2011-03-20
  • [学会発表] Wing Melanization Patterns between Harmonia axyridis and Argopistes coccinelliformis.2011

    • 著者名/発表者名
      Ito, A., Goto, K., Oba, Y., Yaginuma, T., Niimi, T.
    • 学会等名
      The 20^<th> CDB Meeting Molecular Bases for Evolution of Complex Traits
    • 発表場所
      RIKEN Center for Developmental Biology, Kobe, Japan
    • 年月日
      2011-02-23
  • [学会発表] テントウムシに化ける虫たち2010

    • 著者名/発表者名
      伊藤彰紀・新美輝幸
    • 学会等名
      科学三昧in愛知2010
    • 発表場所
      名古屋市、ウィルあいち
    • 年月日
      2010-12-24
  • [学会発表] ナミテントウとヘリグロテントウノミハムシの斑紋色素形成に関わる酵素遺伝子の発現および機能解析2010

    • 著者名/発表者名
      伊藤彰紀・後藤久美子・柳沼利信・新美輝幸
    • 学会等名
      平成22年度日本蚕糸学会第65回東北支部・第66回中部支部・第62回東海支部・第76回関西支部・第66回九州支部合同大会 昆虫機能・利用学術講演会
    • 発表場所
      浦添市,浦添市てだこホール
    • 年月日
      2010-11-15
  • [学会発表] Comparison of wing melanization patterns between Harmonia axyridis and Argopistes coccinelliformis.2010

    • 著者名/発表者名
      Goto, K., Ito, A., Oba, Y., Yaginuma, T., Niimi, T.
    • 学会等名
      ISBDS2010 International Symposium on Biodiversity Sciences "Genome, Evolution and Environment"
    • 発表場所
      Hotel Rubra Ohzan, Nagcya, Japan
    • 年月日
      2010-08-02
  • [学会発表] ナミテントウとヘリグロテントウノミハムシの斑紋色素形成に関わる酵素遺伝子のRNA干渉法による機能解析2010

    • 著者名/発表者名
      伊藤彰紀・後藤久美子・柳沼利信・新美輝幸
    • 学会等名
      第46回日本節足動物発生学会
    • 発表場所
      福島県白河市,キョロロン村アクティブセンター研修室
    • 年月日
      2010-06-12
  • [学会発表] テントウムシからみた生物多様性2010

    • 著者名/発表者名
      新美輝幸
    • 学会等名
      第6回環境学公開講演会
    • 発表場所
      豊橋市,豊橋商工会議所9F
    • 年月日
      2010-05-26
  • [学会発表] 色素合成酵素遺伝子から探るテントウムシの斑紋と擬態2010

    • 著者名/発表者名
      新美輝幸・後藤久美子・松田武・伊藤彰紀・大場裕一・柳沼利信
    • 学会等名
      昆虫DNA研究会 第7回研究集会
    • 発表場所
      名古屋市,名古屋大学豊田講堂第1会議室
    • 年月日
      2010-05-23
  • [学会発表] テントウムシから生物多様性を考える-羽の模様をめぐる不思議な多様性の世界-2010

    • 著者名/発表者名
      新美輝幸
    • 学会等名
      愛知学院大学 第50回モーニング・セミナー
    • 発表場所
      名古屋市,愛知学院大学楠元学舎110周年記念講堂
    • 年月日
      2010-05-11
  • [学会発表] テントウムシをめぐる擬態斑紋2010

    • 著者名/発表者名
      新美輝幸
    • 学会等名
      愛知学院大学歯学部 第6回若手研究者・大学院生のための講演会
    • 発表場所
      名古屋市,歯学部楠元学舎・第2会議室
    • 年月日
      2010-04-20

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公開日: 2012-07-19  

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