研究課題/領域番号 |
22380038
|
研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
下田 武志 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター病害虫研究領域, 主任研究員 (20370512)
|
研究分担者 |
釘宮 聡一 独立行政法人農業環境技術研究所, 生物多様性研究領域, 主任研究員 (10455264)
安部 洋 独立行政法人理化学研究所, バイオリソースセンター, 専任研究員 (90360479)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | 昆虫 / 植物 / 行動 / 情報化学物質 / 植物防御応答 / 天敵 |
研究概要 |
害虫の食害を受けた多くの植物は揮発性の情報化学物質(SOSシグナル)を放出し、天敵昆虫を特異的に誘引する。一方、申請者らは、コナガに食害されたアブラナ科植物のSOSシグナルがマメハモグリバエを忌避させる現象を発見した。23年度までは、忌避反応を引き起こす植物のSOSシグナル成分を室内試験等で明らかにし、24年度については、忌避反応のメカニズムに関する室内研究を進めた。 忌避反応の意義を植物の防御応答との関わりで調査した結果、害虫食害で誘導される植物の直接防御応答(ジャスモン酸がシグナル伝達物質として関与)が欠損しているシロイヌナズナcoi1-1変異株ではマメハモグリバエが忌避行動を示さず、次世代個体(成虫)も変異株から出現できるのに対し、直接防御応答が働くシロイヌナズナ野生株には忌避行動を示し、次世代個体は植物体内で全て死亡することが分かった。また、コナガやアザミウマ等の害虫の食害を受けたシロイヌナズナではジャスモン酸が関与する直接防御応答が働くことも示された。さらに、シロイヌナズナの遺伝子組み換え体を使った試験により、直接防御に関わる防御物質(グルコシノレート、イソチオシアネート)の存在がマメハモグリバエの次世代個体の死亡に関与することが明らかとなった。以上の結果から、コナガ食害株から放出されるSOSシグナルをマメハモグリバエ成虫が忌避する理由の一つとして、コナガの食害を受けたアブラナ科植物において引き起こされる直接防御応答(グルコシノレート、イソチオシアネート)を避けることが考えられた。 以上の内容を含む研究成果については、国際誌を通じて近いうちに公表する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|