研究課題/領域番号 |
22380041
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研究機関 | 独立行政法人農業生物資源研究所 |
研究代表者 |
山本 公子 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫ゲノム研究ユニット, ユニット長 (40370689)
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研究分担者 |
三田 和英 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫科学研究領域, 特任上級研究員 (30159165)
末次 克行 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫ゲノム研究ユニット, 主任研究員 (80533471)
宮本 和久 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫微生物機能研究ユニット, 上級研究員 (10370686)
野田 博明 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫科学研究領域, 特任上級研究員 (40343991)
上樂 明也 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫ゲノム研究ユニット, 任期付研究員 (60542115)
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キーワード | コナガ / cDNA / ゲノム / Bt抵抗性 |
研究概要 |
コナガの卵からcDNAライブラリーを作成し、6,973クローンのESTを調べた。平均インサート長は約1.4kbで、ribosomal RNAコンタミがほとんどなく、良好なライブラリーだった。BLAST検索結果は、ribosomal protein gene transcriptが13.8%、cytochrome oxidaseが6.6%、その他の遺伝子転写物が38.6%で、no hitが40.8%だった。現在、精巣のcDNAライブラリーを作成し、10,000クローンのESTを解析中である。 ゲノム配列を元にSNPを探索し♀ヘテロのBF1集団のジェノタイピングを行った。その結果、Cry1Ac毒素抵抗性形質とリンクする連鎖群を見いだした。この連鎖群上にカイコ15番染色体上のマーカーのホモログが得られており、毒素抵抗性形質の原因遺伝子がこの連鎖群上に存在することが強く示唆された。 コナガ3系統より毒素抵抗性コナガの選抜を行った。5世代選抜を繰り返したところ、1系統で抵抗性が100倍以上強くなった。既存のCry1Ac毒素抵抗性コナガ系統(PxR)はCry1AaとCry1Abに対して強い交叉抵抗性を示した。コナガCry1Ac毒素抵抗性遺伝子の連関群解析のために、PxR系統と感受性系統の雑種第一代とPxR系統を戻し交雑して得た幼虫にCry1Ac毒素を食べさせて生き残った、抵抗性のBC1個体347個体を凍結保存した。 約186Mbpのゲノムコンティグ配列(N50 2,273bp)および41,621の予測遺伝子CDS配列を生成した。また、網羅的な84,142のトランクリプトーム配列(unigene配列)を生成し、予測遺伝子CDS配列と合わせて、既知の遺伝子/ドメインと相同性を持つ33,329の遺伝子候補CDS配列を生成した。生成した配列について自動アノテーション情報を付加しデータベース化した。更に、ユーザインタフェースの改良(GO Termツリーベース検索、薬剤抵抗性関連遺伝子の簡易検索等の新規検索機能の実装等)を行い利便性を向上した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ドラフトゲノム情報、発現遺伝子情報は予定通り得られており、そこから抵抗性原因遺伝子の候補を得ている。遺伝解析用のBF1集団の作成も順調でマーカー候補となる多型も得られ順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は最終年度なので、昨年までに得た多型情報を整理し、遺伝解析に供する。 これまでに得た原因遺伝子候補について詳細に解析する。 これまでに得たドラフトゲノム情報、発現遺伝子情報をデータベース化し公開する。 成果を論文としてまとめる。
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